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百魔の主/漫画版

創作研究室(カテゴリー別)
葵大和
ライトノベル作家
カドカワBOOKSから『百魔の主』というファンタジー戦記小説を刊行しています(既刊6冊)。またコミカライズ版が秋田書店のweb漫画サイト『マンガクロス』にて連載中です。執筆歴は15年。最近はブログ書いたりもしています。うんち。
出版作品(小説/カドカワBOOKS)

百魔の主/葵大和

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漫画『BADON』の面白い所を紹介するよ|現代感とノスタルジーの同居

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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100

ACCA13区監察課』や『さらい屋五葉』などで知られる漫画家『オノ・ナツメ』氏による新作漫画が最高に良い雰囲気の漫画だったのでご紹介。

その名も『BADON』(バードン)。

ACCA13区監察課を読んだり観た(アニメ化している)人はピンと来たかもしれませんが、今回の新作はACCA13区監察課の世界観を引き継いでいます。

そこはかとない現代感とノスタルジーとファンタジー感が絶妙なバランスで融合した世界観はかなり魅力的です。

そして今回の物語もそんな世界観にぴったり。

とあるロクでなしたちが首都バードンで煙草屋を開いて新しい人生のスタートを切ろうとする物語です。

この記事の著者について(葵大和)
葵です
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ロクでなしたちの再起を賭けたとある煙草屋の物語【BADON】

(©BADON/オノ・ナツメ)

あらすじ

それぞれ別々の罪を犯し、賭博の街ヤッカラの刑務所に入っていた4人の男がいた。

その男たちは刑務所内で意気投合し、ある計画を建てる。

それは4人で首都バードンに煙草店を構え、悪事から足を洗いまっとうな人生の再スタートを切ろうというものだった。

あくる日、国王が変わったことで恩赦にあやかった4人はついに首都バードンへ足を踏み入れる。

前科者ゆえ障害も多いが、そんなさまざまな困難を4人の仲間で乗り越えていく。

これはちょっと危険な男たちの人生のリスタートの物語。

『BADON』の魅力と見どころ

キャラクターの心を描くのがとてつもなく上手い

オノ・ナツメ氏の描く物語はとにかく登場人物の心理描写が神掛かっています

けっして多くを語るわけではない。

けれども絵で伝わる心情がある

それはこの『BADON』という漫画においても十分すぎるほど発揮されていて、ちょっと大人な男たちの、センチで、どこか妖艶な心の機微がたくさん詰め込まれていました。

アニメ化もしたACCA13区監察課では物語の構成に重きを置いた描き方でしたが、今回のBADONはこの男たちの心と、その周りの登場人物たちが繰り広げる人と人とのストーリーに重点が置かれている気がします。

このBADON1巻ではいくつかの事件を主人公たち(今巻ではヤッカラでとある闇組織と関わりがあったハートという男)が解決しますが、その事件をめぐるひととおりのヒューマンドラマは、セクシーでありつつ、とても心が温まるものでした。

世界観と文化が読み手を誘う

ACCA13区監察課で緻密に構成された世界観を流用する形ですが、今回の舞台となる世界はとても生活感とファンタジー感がある世界です。

首都バードンのようにザ・現代というような街並みもあれば、賭博の街ヤッカラのように映画の中のカジノ街のような街もあります。

また、今後出てくるかわかりませんが、中世ヨーロッパ的な街並みや文化を保全している街もあったり、人から作物までなんでもデカいジュモークという街についてもこのBADON1巻で少し触れられました。

このように、いろいろな街や文化があり、それが共存している世界観は、非常に奥深さと世界の広さを感じさせてくれます。

そこで起きている物語のほかに、きっと世界のどこかでまた別の物語が展開されている。

そういうリアリティがBADONの世界観の中にはあるのです。

これが本当に物語への没入を誘うようで、良質な擬似体験を担保してくれています。

ちょっと危険な大人な男ってカッコイイよね

オノ・ナツメ氏が描くキャラクターは本当にセクシーです。

特に大人な男性の描写に関しては何度も言いますが神がかっていると思います。

(©BADON/オノ・ナツメ)

めちゃめちゃカッコイイ。セクシー。煙草がこんなに似合う男を描けるのはほかにそういないのではないか。

こういう台詞のないシーンでも、大人なセクシーさを感じます。(むしろ台詞がないからこそ訴えかけてくるものがある)

こういった『すべてを語らずに、されど読者に語りかける』シーンは漫画の醍醐味(だいごみ)。

さすが百戦錬磨のオノ・ナツメ氏というところでもありますが、こういったその作者独自の良さが常に洗練されて出ている漫画はそう多くありません。

BADONを読んでハマったらほかのオノ・ナツメ氏の作品は全部ハマると思うよ。

いろいろ連載しているみたいだな。

どれから読んでいいかわからない!という人のために個人的なオススメ順で紹介しておきます。

オノ・ナツメ氏のオススメ漫画

オノ・ナツメ氏の新作漫画『BADON』のまとめ

BADONは2019年9月25日に第1巻が単行本で出たばかりで、これからがめちゃくちゃ楽しみな漫画です。

オノ・ナツメ氏の洗練されたキャラクター描写、思わずそこで生活してみたくなるような美しくも奥深い世界観。

なにより、このちょっと危険でセクシーな4人の男たちがこれからどういう人生のリスタートを切って行くのか本当に楽しみな作品。

1巻だけでも良い読後感だったので、気になる方は読んでみてください。

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