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百魔の主/漫画版

創作研究室(カテゴリー別)
葵大和
ライトノベル作家
カドカワBOOKSから『百魔の主』というファンタジー戦記小説を刊行しています(既刊6冊)。またコミカライズ版が秋田書店のweb漫画サイト『マンガクロス』にて連載中です。執筆歴は15年。最近はブログ書いたりもしています。うんち。
出版作品(小説/カドカワBOOKS)

百魔の主/葵大和

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覚えやすいキャラクターの名前の決め方は?【性質×名前=象徴】

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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100

小説はストーリーが大切だけど、もちろんそれ以外にも大切なものはたくさんあります。

そのひとつがキャラクターです。

キャラクター小説という言葉があるとおり、キャラクターが良いと物語はすさまじく質が高まります。

なによりストーリーは中盤くらいまで追わないとその魅力がわからないことが多いのに対し、キャラクターというのはまさしく物語に引き込む悪魔水先案内人として「おもしろさ」の入口に立っています。

キャラクターについては以前にも魅力的なキャラクターの描き方という記事で書きましたが、今回はその補足というか、こうすることでよりキャラクターを覚えてもらいやすくなって、結果的に読みやすさに繋がるんじゃないかというお話をしようと思います。

基本は「どんな性質のキャラクターを書くか」ですが、その輪郭を作る名前も重要ですよね。

この記事の著者について(葵大和)
葵です
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小説のキャラの名前はどう決めるのがいいのか

いきなりですがちょっと実験をしてみます。

ここに「丸さん」と「三角さん」、そして「四角さん」がいます。

性別は問いませんが、そういう名前の人です。

さて、彼らはそれぞれこんな姿をしています。

△→丸さん

□→三角さん

〇→四角さん

……。

覚えづれぇ!

ちょっと配置を変えましょう。

△→三角さん

□→四角さん

〇→丸さん

わたしでも覚えられる!

これは極端な例ですが、小説のキャラクター性と名前にもついても同じことが言えます。

キャラクターの性質と名前をかけ合わせる

小説は基本的にすべての情報を文字で表現します。

キャラクターの容姿や性格、はたまた使う武器や能力に関しても読者に届くときには言葉で届きます。

上記の極端な例には及びませんが、たとえば「ブラック」というキャラクターがいて、その人物の容姿が白髪だったらなんかもにょっとしませんか。わたしはします。

中二病患者というのはあまのじゃくですので、「ブラックだけどこいつは白い」とかそういうアレなアレもまあいいでしょう。わたしは嫌いじゃないです。

ですが、読みやすさや覚えやすさの観点で言えば、そのキャラクターの象徴ともいえる名前はキャラクター性と通ずる形にしておいたほうが無難でしょう。

  • 剣を使うキャラクター→剣太郎(けんたろう)
  • 魔法を使うキャラクター→魔耶(まや)
  • お金大好き人間→ゴールド

などなど。

(この発想の貧相さについては言及すべきか……)

実際のところ名前はこれくらい露骨でも、ちゃんと名前っぽくなっていればまったく問題になりません。

実際に出版されている作品の中には、名前という名前がなくて、「魔獣使い」「戦士」「勇者」「魔王」など、そのキャラクターがどういったものかわかる異名やあだ名のまま進んでいく作品もあります。

その良い例

それっぽい名前を否定するわけではない

とはいえ、例に出したようなところまで露骨だと読者も面食らうかもしれません。

そしてもちろん一般的な名前を否定するわけではありません。

たとえばファンタジーで名前を考えるときにはわたしも欧州人名録のようなものを使いますし、実際にありそうな異世界やファンタジー世界、よく言われるヨーロッパ的なファンタジーを書きたいという場合には、むしろそのほうがいい場合もあります。

名前を含む固有名詞の基本はその世界観とマッチしているかです。

もしくはその名前にしたことにストーリー上の意味がある場合か。

ただ、前述した性質×名前の合わせ技が使えない場合は、より綿密にキャラクター性をかき分ける必要があります。

ちなみにわたしが書いて出版した『百魔の主』は半々です。

百魔の主の世界観はラノベっぽくありつつもちょっと硬めの世界観というのを意識していたので、あまり極端なネーミングはしませんでした。

それでも、「号」という設定を用いて作品内でそのキャラクターの名前と能力がセットになるようにしています。(例:雷神=セレスター,風神=ヴァン)

海外産の小説を読むと名前の重要さがよくわかる

わたしは早川文庫のファンタジー小説を読んで育ったので、今でも海外産のファンタジーはたまに読むのですが、いつも思うのが、

キャラクター覚えづれぇ……

です。

ぶっちゃけ誰が誰だかよくわかってないまま一冊を読み終えることすらあります。

七王国の玉座、お前だよ。

※ 有名なファンタジー海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作小説

日本人なので、海外名に馴染みがないのも原因でしょうし、まあ七王国の玉座に関してはそもそもとしてキャラクター数が多いのが一番の原因かもしれません。

とはいえ、こういった作品のようにキャラクターが多い&馴染みがない言語圏の名前だとなにかしら覚えるための指針みたいなものがほしくなります。

小説のキャラの名前は性質や性格と掛け合わせて考えると良い

読みやすさがすべてではないけれど、名前のわかりやすさは重要です。

名前がわかりづらい=覚えづらいというのが案外読者が離れる要因になったりします。

これは書いている側としての実感でもありますし、いろいろ近頃の情勢を見ての雑感でもあります。

キャラクターがうまく覚えられないから読むのやめたは普通によくあることです。

どんなにすばらしいストーリーを書こうが、どんなに魅力的な性質のキャラクターを書こうが、そもそもキャラを覚えて読み進めてもらわないとその良さは伝えきれません。

もし「どうしてもこいつはこの名前じゃなきゃダメだ!」という理由がないのであれば、そのキャラクターの名前は性質と掛け合わさって、より象徴的になるようにしてみてください。

性質は必ずしも容姿や使う武器、能力でなくとも構いません。

でも、できるだけ一般的な共通認識を利用することです。(ファンタジー=中世ヨーロッパ的な世界も同じ)

堅苦しい人物だから「一般的に堅苦しく感じる語感の名前」とかでもいいと思います。

余談ですが、近頃の人気作はこういった小さな気配りがうまいものが多い気がします。

名前ばかり考えて肝心のストーリーをおろそかにしてしまうのはナンセンスですが、誰かに読ませたいのであればこういう部分にも気をつかってあげる癖をつけると良いでしょう。

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