物語の作り方を3つのステップで解説【ストーリー作りの基本】
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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100)
「小説を書いてみたいけど物語(ストーリー)の作り方がわからない!」
そんな初心者の人へ向けて、「最低限これさえおさえておけば良い物語は作れる」という、超基本的な物語の作り方を3つのステップで説明します。
この手順で構成すれば、軸のしっかりとした物語を作れるので、話も広げやすいですし、なにより脱線してもちゃんと戻ってくることができるので、途中で迷子になることもありません。
ちなみに超基本的と言いましたが、これは基本であり奥義でもあります。
ですので、小説を書くことに慣れてきた人も、ぜひ「自分の作品はどうだろう?」と考えてみてください。
- 物語の作り方がわからない
- よく物語の行先が迷子になる
- 自分の作品を見直したい
ステップ①:「誰が」「なにをする」物語なのかを考える

実際に物語を作る前に、「そもそも物語ってどんなもの?」ということについて軽く触れておきます。
結論から言うと、物語というのは、
「誰か」が、「なにかをする」姿を描いたもの。
です。
具体例について

さっそく簡単な例をあげてみましょう。
- 主人公が、世界を救う
- 商人が、各地で商売をする
- 王様が、国を運営する
①であればなにか強大な世界の敵がいて、主人公がそれに立ち向かうお話になるでしょう。
②であれば商人がいろいろな国を訪れて、そこで商売をしながらいろいろな人と出会う物語になるでしょう。
③であれば王様が民衆や臣下たちと対話しながら、外交や内政に勤しむ物語になるかと思います。
もしこれらの中で「自分はこういうのが好き」というものがあれば、まず基本の軸をそのワンフレーズに置いてください。
「○○が、○○をする物語」
そしてここから話を発展させていく間も、絶対にこのワンフレーズを忘れないでください。
これを忘れてしまうと、間違いなく途中で迷子になって、筆が止まります。
逆に、迷ったときは最初に決めたこのワンフレーズを思い出してください。
「誰が、なにをする物語なのか」
これを思い出すと、次に書くべき話が自然と浮かんでくるはずです。
ちなみにこの「誰が、なにをする物語か」というのを一行で収めたものをログラインと呼びます。このログラインは小説に限らず、映画や漫画などの企画書においても最初に評価されるポイントなので、とても大事です。
ステップ②:なぜそうなるのかを考える

さて、最初のステップで物語の軸が決まりました。
しかしさきほどの例①をあげてみると、
①.主人公が、世界を救う
少し漠然(ばくぜん)としていますね。
方向性はわかるものの、具体的にどういう物語なのかがわかりません。
そこで、この軸から少し枝を張って、もう少し物語の中身がわかるようにしていきます。
さきほどの例①に関して言うと、「世界を救う」というからには、なにもせずにいると世界が滅んでしまうわけですよね。
そこで今度は、なぜ世界は滅んでしまうのかという理由について考えてみましょう。
具体例について
- 人々に害をなす未知の怪物がいる
- 邪悪な魔法使いがその魔法で世界を焼きつくそうとしている
- 国と国との戦争が世界中に広がり、最終的にみんな共倒れしそう
- 上位存在(神)が「この世界いらない」と世界を壊すことにした
- 星が爆発する魔法が地中深くにしかけられていた

よくこんなに世界が滅ぶ理由が出てくるな。
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常に世界は滅びの危機にさらされている……
このように、簡単ではありますが世界が滅ぶ理由もいろいろあるわけです。(個人的には⑤がおもしろい気がする)
で、世界が滅ぶ理由が生まれると、今度は「どうしたらそれを阻止できるか」ということを考えますよね。
例①の場合
例②の場合
「倒す」or「魔法を使えなくする」など
例③の場合
「自分が覇者になる」or「外交でなんとかする」or「戦争の原因を調べ、それを改善する」etc…
例④の場合
例⑤の場合
⑤に関しては設定した文明レベルによって「どうやって地中深くまでいこう?」と作者も頭もひねる必要が出てきそうです。
ともあれ、こうすることによってただ「主人公が世界を救う」物語でもそれぞれの色が出てきます。
同時に達成すべきゴールができたので、これでストーリーのもっとも重要な骨組みは完成です。
ここで主人公が「なぜ、そうするのか(したいのか)」という動機についてもしっかり考えておくと、より良いストーリーが生まれます。
ステップ③:スタート地点(状況)を設定する

さて、ここまできたらあとはスタート地点の設定です。
「主人公がどこからスタートするのか」も物語を作る上では非常に重要になってきます。
具体例について
たとえば、
最終的なラスボスがどこかの国の王様で、主人公がその王様の息子。
家族ということで一緒に住んでたりしたら、ちょっと近いですよね。

これはこれでおもしろいんですが、この配置で長くストーリーを進めるにはなんらかのギミックが必要になります。
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ちょっと難易度高め。
というのも、「やろうと思えばすぐやれんじゃね?」という距離感なので、すぐに倒せない理由が微妙なものだと、読者は「なんでやらないんだ、さすがにおかしいだろ」とリアリティのなさを感じてしまいます。
表現する物語の主軸を「父を倒さねばならない主人公の葛藤」に置くのならまだいいかもしれませんが、それだと最初の「主人公が世界を救う」という物語からは少し離れてしまいます。
もし最初に書こうと決めたのが「世界を救う」物語なのであれば、当初の思いから離れることによって途中で書くのがつらくなる可能性があるので、あまりおすすめしません。
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もちろん「やっぱこっちのほうがいい!」とちゃんと思うのであればいいと思います。
というわけで、主人公のスタート地点はしっかり考える必要があります。
今の例を基準に考えるのならば、主人公は悪の王様と敵対している隣国の王子とかだとちょうど良いのではないでしょうか。
敵対しているのであれば王様のところにたどりつくまでにたくさんの障害があるでしょうし、そこにたどりつくまでの過程でいろいろな物語が書けます。
物語に深みを持たせるにはまさしく絶好の機会です。
まとめ:物語作りに大事な3つのステップ
ここまでをまとめると以下のようになります。
これがストーリーの軸となります。もっとも重要な根幹です。基本的にここで設定した「誰か」が物語の主人公になります。
1番目のステップで設定した物語に理由をつけます。ここで物語のゴール地点が見えてきます。
2番目のステップで設定したゴール地点に向けて、主人公がどこから出発するのかを考えます。ゴールまでの距離が遠いほど物語は壮大になります。
2番目のステップで設定したゴール地点に向けて、主人公がどこから出発するのかを考えます。ゴールまでの距離が遠いほど、物語は壮大になります。
ちなみにこれは、物語の作り方でよく言われている「起承転結」や「序破急」よりもっと前の話です。
そもそもの物語の土台、基礎の基礎です。
それだけに、とても重要となります。
もし2つ目3つ目のステップがうまくできなくても、最初のステップで決めたワンフレーズだけは絶対に忘れないでください。
その物語は、「誰が、なにをする物語なのか」
迷ったときは基本に立ち返って自分の物語の軸を思い出してみてください。
どんなに長い物語でも、このワンフレーズがしっかりしていれば、読者にちゃんと伝わる物語になっています。
