私の人生を変えた最高のエピック・ファンタジー小説【ベルガリアード物語】
やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100)
今回はド直球でわたしの好きなエピック・ファンタジー小説を紹介します。
- 読書嫌いだったのに読書にハマったきっかけ
- ファンタジー作家になったきっかけ
人生いろいろだけど、間違いなく言えることがある。
すべてはこの『ベルガリアード物語』があったから。
どういうふうに作家になったかはコチラから
葵大和のプロフィール&このブログについて
やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100) フルネームを葵といいます。 実はこれ、わたしの小説家としてのペンネームでもありまして、社畜をしながら作家業もしている、いわゆ…
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ベルガリアード物語ってどんな小説?
太古の昔、莫大な力を秘めた宝石“珠”をめぐって神々が熾烈な戦いを繰り広げた。争いの末に魔術師ベルガラスが邪神トラクを倒し、その復活の日まで争いにひとまず終止符を打ったのだった…老人ウルフの語る神話は、平和な農園で暮らす少年ガリオンの一番の楽しみだった。しかし少年の人生はある日を境に一変する。世界の命運を賭け、予言を成就する冒険の旅に連れだされたのだ!大好評ファンタジイ巨篇、新装版登場。
(「BOOK」データベースより)
簡単な説明
さて、エピック・ファンタジーと言えば有名なところで『指輪物語』などがありますね。
「エピック・ファンタジーってなに?」と言われるとちょっと説明が難しいのですが、簡単に言うと、『世界観をものすごく作りこんだ壮大なハイファンタジー』と言えるかもしれません。
- 地形(詳細な世界地図)
- 歴史(ものによるけど千年単位)
- 民族(宗教はもちろん関係性まで詳細に)
- たまに言語まで作りこむ変態(
トールキン)がいる
完全に別の世界を一から作り上げるわけです。
で、この『ベルガリアード物語』も、その例にもれず世界観の作り込まれ方がハンパじゃありません。
その精度は「実際にこの世界は存在するんじゃないか?」と思ってしまうほどで、ワクワク感が止まらない。
ちなみに作者はデイヴィッド・エディングスというアメリカの作家。
わたしの神です。
ベルガリアード物語の魅力とは
①引き込まれる会話の掛け合い
ベルガリアード物語の良いところはキャラクターの掛け合いが非常に軽妙でおもしろいことです。
アメリカらしいウィットに富んだジョークや皮肉の数々はやみつきになります。
そしてこういった会話の楽しさのおかげで、作り込まれ過ぎたハイファンタジーによくある、
- 国の名前覚えらんねえ。
- キャラの名前も覚えらんねえ。
- こいつ誰だっけ!?
とかをぶっちゃけ気にしなくても読み進められる。
それくらいついつい読み進めてしまう会話のおもしろさがあります。
で、そうやって読み進めていくうちに、徐々に世界観に浸かっていき、気づいたときにはもう遅い。
- 密偵組織とか密偵の養成学校とか超カッケェ……!
- 馬と話せる能力欲しい……!
- 魔術と魔法は違うのか……興味深い。
- そうだ、おれも神々の弟子になろう。
ドップリと作品世界に浸かってしまう魔性の作品。
②キャラクターが生きている
この物語のキャラクターは生きています。
主人公ガリオンはどこにでもいそうでありながら、主人公らしい正義感も持った少年で、読んだ当時はまるで隣にいるような、それでいて思わず友人のように応援したくなるようなキャラクターでした。
それでいて実は魔術士としてものすごい才能を秘めている。
王道っていいよね……。
その師匠筋にあたる神々の弟子にして数千年を生きるファンキーな魔術士おじいちゃんベルガラス。
この、憎まれ口をよく叩きながら、けっして憎むことができない老魔術士は、おそらく世界一カッコイイ魔術士だと思う。
そのほか、凄腕の密偵にして(スパイを国家産業とする国で数々の偉業を成し遂げスパイ学校の研究対象になった)商人でもあるシルク。
実はわたしはこのキャラクターが一番好きです。
自分の作品にもこのキャラクターの影響が出てたりします。誰のことかは『百魔の主』を読んだ人ならわかるかもしれない。
と、語りはじめるとキリがないのでこれくらいにしますが、とにかくキャラクターが生き生きとしていて、気づいたときにはその息遣いまで聞こえてくるようなリアリティを体感させてくれるのが、ベルガリアード物語の最たる魅力のひとつ。
ちなみにRPGゲームが好きな人にもおすすめ。
その理由が、各キャラクターに明確な役割(職業)があってかなり読みやすいからです。
- 戦士
- 魔術師
- 盗賊
- 狩人
- 騎士
- 鍛冶屋
など。
そしてそれぞれに予言の書が記す称号のようなものもあって、よりキャラクターの理解が深まりやすいです。
- 選ばれし者、光の子、神をほふる者(主人公『ガリオン』)
- 愛される永遠なる者(魔術師『ベルガラス』)
- 世界の女王(ヒロイン『セ・ネドラ』)
- 恐ろしい熊(巨漢の戦士『バラク』)
- 案内人(盗賊商人『シルク』)
- 弓師(貴族弓師『レルドリン』)
③小道具・キーアイテムの放つワクワク感
上のキャラクターの称号にも表れているのですが、作中に出てくる小道具もいわゆる中二心(ちゅうにごころ)を絶妙にくすぐってくるものが多く、「予言の書」だったり、「意志の宿った宝玉」だったり、とてもワクワクします。
もうホント……良い(語彙不足)。
その使い方や表現の方法も絶妙で、これこそファンタジーだよ!とうなりたくなる。
小説でしっかりした世界観を読者に伝えたいなら小道具の描写をしろって話
小説で世界観を伝えるのにはちょっとした小道具の描写が意外と大事。 小説は絵がない創作媒体です。 で、絵がないからこそ書くべきものがあります。 それが小道具。 【…
④実在を確信しかねない世界設定・底なしの没入感
ベルガリアード物語はとにかく世界観設定が秀逸です。
もう本当にこういう世界が宇宙のどこかにあるんじゃないか、昔実はこういう世界が実在したんじゃないかと思ってしまうほど。
そう思える、思わせてくれるのは、この物語の懐の深さを表していて、まさしく底なしの没入感とも言えるものです。
物語体験の真髄をこのベルガリアード物語は体験させてくれます。
まとめ:ベルガリアード物語は最高のファンタジー小説である
読書嫌いだったわたしが本にハマるきっかけになった本でもあり、自分でファンタジー小説を書こうと思った原点にもなった作品です。
ふと通りかかった書棚で表紙を見て試しに買ったので、イラストレーターさんの功績もとても大きいと思います)
やや古い作品で、普通の書店では置いてないかもしれませんが、ぜひ機会があれば読んでみてください。
いや、機会がなくても読んでください。
ちなみにわたしは、
『あなたの一番好きな作品は?』
と問われれば、死ぬまでこの作品を挙げると思います。
※実はベルガリアード物語には続きがある【マロリオン物語】
その名も『マロリオン物語』。
ちなみにこのシリーズは外伝まで含めると計16巻になります。
一冊一冊も分厚いのでまさしく大鈍器長編と呼ぶにふさわしい。
最高かよ……。