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百魔の主/漫画版

創作研究室(カテゴリー別)
葵大和
ライトノベル作家
カドカワBOOKSから『百魔の主』というファンタジー戦記小説を刊行しています(既刊6冊)。またコミカライズ版が秋田書店のweb漫画サイト『マンガクロス』にて連載中です。執筆歴は15年。最近はブログ書いたりもしています。うんち。
出版作品(小説/カドカワBOOKS)

百魔の主/葵大和

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背筋をなでるような怪異はすぐそこに【准教授・高槻彰良の推察/民俗学かく語りき】

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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100

民俗学って、ロマンですよね!

一度は聞いてワクワクしたりゾクリとしたことがある怪異都市伝説。そういうものを学問として学ぶことができるなんて、大学というところはすばらしいところだ。

わたしが大学に入って一番大学らしさを感じた学問でもあります。

まあ、本気で研究しようとするとめっちゃキツいんだけどね!!(どの学問もそうだ)

ともあれ、今回はそんな民俗学を主題とするめちゃくちゃおもしろい小説をご紹介。

  • 怪異が好き
  • 妖怪が好き
  • 都市伝説が好き
  • 柔和なイケメンが好き

そんな人には間違いなくオススメです。

この記事の著者について(葵大和)
葵です
タップできる目次

怪異はすぐそこに【准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき】

おすすめ度

(すばらしい)

見てください奥さん、この表紙の爽やかで柔和なイケメンを!

このイケメンがゴールデンレトリーバーのような人懐っこい笑顔を見せてくれるんですよ!?

そんなシチュエーションを想像させてくれるだけで買いですよ、これは!

あらすじ

「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」

人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、
怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。
高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――?
ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが
民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ、開講!!!(Amazon公式紹介文

良い。

これはとても良い、物語でした。

作中で民俗学のおもしろさを見事に表現している。

実際に起こる事件の数々も「幻想」と「現実」の狭間を感じさせてくれる。

  • 現実にも本当にこういう事象が起こっているんじゃないか?
  • もしかしたら自分の身近なところにも怪異は存在するのではないか?

これが物語であることを知りつつも、そう思ってしまう説得力がこの作品にはありました。

そういう体験を得られるというだけでも、この作品はものすごい魔力を持った作品だと思います。

そしてこの感覚は実際に読まないとわからない。

でもせっかくなので見どころについてもご紹介しましょう。

見どころ①不思議の体験、丁寧かつ軽快な語り口

冒頭でも述べたとおり、

  • 怪異が好き
  • 妖怪が好き
  • 都市伝説が好き
  • 柔和なイケメンが好き

という人には無条件でオススメできる作品です。

この作品の最大の見どころは、最も身近な『不思議』を軽快かつ丁寧な語り口の中で楽しめること。

そう、この物語は学問としての民俗学をテーマにしながら、めちゃくちゃ読みやすいのである。

これこそ作家さんの力だなぁ、としみじみ思います。

もちろん民俗学が好きだ、という人にもオススメなんですが、「民俗学ってどういう学問なの?」という人にも民俗学入門書としてオススメできちゃいます。

民俗学の持つ魅力と魔力。物語の持つ疑似体験の力。

そのすべてがハイレベルに融合されていて、これこそ良質な読書体験だよ!と思わずうなること間違いなし。

見どころ②背筋をなぞるようなリアリティ

現代日本を舞台にしていて、その日常の描写も卓越しているので、リアリティに関してはこのうえないです。

そのうえで、そのリアリティを損なわないまま「本当にありそうな不思議」の体験を提示してくれます。

主人公深町君の体験談でもある「夏の夜の祭り」の描写はゾクゾクとワクワクがすごかった。

また、そうして表現されるいくつもの不思議は、どこか妖艶さも放っていて、話の題材そのものに人を惹きつけて離さない魔力のようなものを感じました。

この人を惹きつける魔力こそが民俗学の持つ魅力であり、その魔力を物語を通じて誰にでも体験しやすくしてくれているのが、この作品の最大の魅力だと思います。

あと高槻先生マジイケメン。無邪気イケメン最強説。ホント好き。(※葵は一応男です)

まとめ

百聞は一読に如かず。

冒頭の深町君の体験から一気に物語に引き込まれて、気づいたら一冊読み終えてました。

この読んでいるときのゾクゾク感とワクワク感は、読んでみないとわからない。

作中に出てくる実際の民俗学のお話もとても興味深くて、また民俗学をちょっと学んでみようかな、という気にもさせられました。

あと一家に一人高槻先生を置きたい。

読後感も良くて、「ああ、良い本読んだなぁ!」と最後に思わせてくれる作品なので、次になにを読もうかと悩んでいる人はぜひこの機会に購読してみてください。

この作品が好きな人にはこちらもオススメ!

ヘルハウンド 犯罪者プロファイラー・犬飼秀樹(小説)

まさかの准教授繋がり。

こちらは犯罪者心理学の准教授『犬飼秀樹』が活躍するクライムサスペンス物語。

「邪悪な話術を使う悪魔」と自称するちょっとだらしないけどカッコイイ主人公は必見です。

くわしくは個別に記事を書いたのでそちらをご覧ください。

大江戸妖怪かわら版(小説&マンガ)

こっちはもろに妖怪モノ。

騒がしい妖怪の世界にたった一人まぎれこんだ人間である主人公が、あちらこちらで起こる事件を新聞屋としてスクープしていく物語。

妖怪の世界を描いているのでテイストはやや異なりますが、「不思議の体験」「こんな世界が本当にあるかもしれない」という感覚はどこか似ている印象を覚える。

読み口も軽快でエピソードもおもしろいのでオススメです。

マンガ版もあるよ

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