自費出版から有名になった作家や作品をまとめてみた
やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100)
昨今は『小説家になろう』をはじめとするweb小説からの書籍化(出版)が多くなりました。
しかし、少し前の時代は「作家になる!」といえば出版社が主催する公募に作品を応募し、なんらかの賞を受賞することが作家への道の王道でした。
同じ「小説家になる」でもインターネットの発達によってずいぶん間口が増えて、クリエイターたちにとっては良い時代になったと思います。
そんな中、今も昔も変わらずに作家になる方法に、自費出版があります。
自費出版といえば「なんだか怪しそう」「騙されそう」とちょっと不安に思ってしまうところはありますが(実際わたしもそうでした)、実は自費出版から有名になり、最終的にベストセラーになった作品はたくさんあります。
そういうわけで、今回は自費出版から有名になった作品や作家をまとめてみました。
最近はAmazonなどで電子書籍の自費出版なんかも盛んになっているね!
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自費出版から有名になった作品とその作家
わたしは、「ラノベ系の作家になりたいのであればとりあえずネット小説に投稿してみるといいよ!」をおすすめしているのですが、昨今のweb小説界隈は人気ジャンルの偏りが見られます。そのため、「俺はもっと別のジャンルで作家になりたいんだ!」という人は、カテゴリーエラーになる前に別の方法を取るのもいいかと思います。その手段として自費出版はありだと思っています。
というわけで、実際に自費出版した作品がどう人気が出ていったのかも含めて、見ていきましょう。
リアル鬼ごっこ / 山田悠介
自費出版から有名になった作品として真っ先にあがるのがこの『リアル鬼ごっこ』です。
山田悠介さんのデビュー作にあたり、2001年に文芸社から自費出版本として刊行されました。
初版こそ1000部でしたが、一気に話題になり、2004年に幻冬舎文庫の文庫版(改訂版)、幻冬舎コミックスの漫画版まで刊行されています。その後、書籍の累計発行部数は200万部を超えました。
2008年には映画にもなり、この映画から作品を知った人も多いのではないでしょうか。
エンターテインメント小説としては大成功も大成功、まさに出版ドリームとでもいうべき人気作になった本書が、自費出版から始まっていたというのは世の作家を目指す人たちにとって大きな勇気を与えてくれる事実です。
一般的に、商業出版というのは、出版社がその本を売るために様々な手を尽くします。原稿を書き上げてから編集者のチェックを通り、数度の校正を経て、装丁、デザイン、さまざまな人が関わってようやく世に出ます。だからこそ完成度が高いのです。
しかし、この『リアル鬼ごっこ』は、そういった完成度の高さがなくても、物語としての面白さ、作品としての面白さがあれば、人々の興味を引くことができるということを証明しました。
そしてそのためには、まず世に出してみる。
自分の懐で温め続けていても、作品は読まれません。もし自費出版でもしてみようかと悩んでいる人がいたら、これほど背中を押してくれる作品はないでしょう。
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B型自分の説明書 / Jamais Jamais(じゃめじゃめ)
血液型別の傾向をおもしろく記載した本として出版された『B型自分の説明書』。一時社会現象にまでなったこの書籍も、実は文芸社の自費出版から出版された作品です。
この本はのシリーズ累計発行部数は540万部。まさしく超ヒット作です。
本作は著者が自費出版社に原稿を持ち込んだ際に、編集担当者の「出すからには売れる本にしたい」という強い思いから、何度も打ち合わせを重ねて完成したそうです。
自費出版だとしても、原稿を受け取るのは本物の出版社です。「出すからには売れる本にしたい」という思いは当然のことながら出版社側にもあります。自費出版も商業出版も『本を世に出す者』としては変わらない熱さがあるというのは覚えておいたほうが良いでしょう。
氷の華 / 天野節子
2008年にテレビドラマ化された『氷の華』も最初は自費出版からはじまった作品です。
また、この小説を世に出した当時の天野氏の年齢は60歳というのもまた驚きでしょう。
初版発行から2ヶ月ほどで第6版まで発行され、漫画にもなるなど、当時の話題作となりました。
自費出版からはじまったこともそうですが、60歳という高齢でベストセラー作家となった点も非常に夢があります。
こころ / 夏目漱石
時代はさかのぼりますが、かの超有名な文学作品『こころ』も実は自費出版でした。
現代において自費出版から作家を目指す、というのとは毛色が違いかもしれませんが、作品をみずからの力で世に出すという形は同じです。
漱石は『こころ』を世に出す際に、装丁や広告のキャッチコピーまで自分で作成し、費用をみずからで負担して出版しました。
結果として『こころ』は現代にまで語り継がれる超有名作品となったわけですが、意外と始まりは小さなところからだったのと思うとちょっと勇気が湧いてきます。
納棺夫日記 / 青木新門(映画「おくりびと」の原作)
『納棺夫日記』は、大ヒット映画『おくりびと』に大きな影響を与えた書籍です。(一部で原作と評されることもありますが、正確には原作ではない。映画化に際して著者と関係者の間でいろいろあったため、別の作品ということになっている)
実はこの作品も1993年に自費出版により最初に世に出ました。
当初の発行部数もさほど多くはありませんでしたが、瞬く間に人気が出て、当時の出版社が異例の事態に業務に支障をきたしたほどだと言われています。
自費出版という一つの手段
一般的に自費出版と呼ばれる形で世に出され、有名になった作品についてまとめてみました。
含みのある言い方なのは、昨今は自費出版的な出版方法がほかにもたくさんあるからです。
冒頭でも述べた『電子書籍の形態での出版』、『クラウドファウンディングでの出版』など、インターネットの発達によってさまざまなメディア露出の方法が増えました。
また、同じく冒頭で述べたとおり、最初から本にしたいというのでなければweb媒体での連載などもおすすめです。(わたしはこれを一番に薦めています)
なので、まずは元手をかけずにすぐに取り掛かれる方法で自分の作品を世に出してみつつ、お金に余裕があったり、「どうしてもすぐに本にしたい!」というのであれば、自費出版という形態があることも覚えておいてもいいかもしれません。
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