古代和風ファンタジー漫画『峠鬼』がとても面白い件について
やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100)
ふっと表紙にひかれて手にとった『峠鬼』ってマンガがとても面白い。
日本の上代(江戸とかよりもっと昔)を舞台にした『鬼』と『神々』のお話で、ところどころSFチックな魅せ方もあり、そこもまた楽しめる。
『八百万の神』とか、神道的な神の設定が好きなら間違いなく楽しめると思う。
タップできる目次
神々と人の物語が好きなら『峠鬼』を読むべし
おすすめ度
(すばらしい)
あらすじ
遥か昔の倭の国の、神代と人世のその間。神々が人間と共存していた時代。
村を司る神・切風孫命神への生贄に選ばれた少女・妙(みよ)は、避けられぬ死に怯えていた。
しかし、神と相対し対話する異能を持つ道士・小角(おづの)との出会いが、彼女を窮地から救い出す……!
『峠鬼』の魅力と見どころ①:舞台設定に対しキャラクターが親しみやすい
日本を倭の国と形容しているだけあって、舞台設定はかなり古めなれど、キャラクターの描き方がとても現代的です。
作中ではさまざまな日本の神々が登場するが、その神々も畏れだけでなく親しみやすさがある。
神々としての畏れをしっかり描きつつ、一方で人々に親しまれる存在でもある彼らの描き方は、これ以上ないほど絶妙でした。
『峠鬼』の魅力と見どころ②:各話のオチが見事
峠鬼には大きなストーリーが存在しますが、各話ごとにその世界で起きるさまざまな小ストーリーが散りばめられています。
ひょんな村で起こるいざこざ。
とある神の気まぐれ。
各キャラクターの生きてきた背景に関わる出来事。
そういった小さなストーリーが連続し、そして各話がしっかりと一つのお話として完結します。
これが意外と難しいんだな!
こういった小さなストーリーがしっかりとオチるたびに、どんどんと峠鬼の世界観に入り込んでいく感覚になります。
非常に、非常に良い。
『峠鬼』の魅力と見どころ③:線のわかりやすさと美しさ
作者である鶴淵けんじ氏の絵が非常にわかりやすく、そして同時に美しいです。
マンガ的な絵のうまさとでも言いましょうか。
適度にデフォルメされつつ、それでいてキャラクターに色気があるのがかなり魅力だと私は思います。
特に女性キャラクターのうまさはかなりのもので、コト様がとにかく美しい。
マンガって絵と文字が同居する読み物ですし、連続して読み進めていくものなので、一枚絵としての美しさとはまた違った「うまさ」のようなものが結構重要だと思っています。
その点『峠鬼』はマンガとしても非常に読みやすい作品でした。
【関連】この作品もマンガ的にとても読みやすかったよ
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まとめ:和の神々と人との交流というテーマが好きならぜひ
タイトルにある『鬼』という言葉もキーワードになりますが、1巻~3巻(最新)までを読んで思ったのは『神々』と『人』との交流がメインになっていることです。
わたしはこういうテーマが非常に好きなのでめちゃくちゃ楽しめました。
また一方で、ただの上代和風ファンタジーにとどまらないSF的(IF)要素もワクワク感に繋がっていて、
- 「もしかしたらこうだったかも」
- 「こんなことがあったら面白いなぁ」
というような、知的好奇心がくすぐられるエピソードも満載。
和風ファンタジーものが好きな人はもちろん、SFが好きな人にも合う逸品です。
気になった人は読んでみてね。
このマンガが好きな人はこちらもオススメ
『峠鬼』が好きな人にオススメできる作品をいくつかまとめておきます。
あまつき
おすすめ度
(最高に良い!)
こちらも現代と過去の日本が交わる妖怪ありの和風ファンタジー。
現代と過去の日本の混じり合いがSFチックでありつつ、しっかりと和風ファンタジー世界を形成しつつ、ドキドキするミステリーもありで個人的に和風ファンタジー漫画TOP3に入る作品。
絵も美しいのでぜひ読んでみてほしい。
怪物事変
おすすめ度
(とても良い)
こちらは現代が舞台の和風ファンタジーもの。
ストーリーが非常によく整っていて、すらすら先を読めてしまう。
絵もかなり見やすい。
もっとくわしく知りたい人はこちら
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和風ファンタジーは小説なんかでも名作が多いので、そのうち紹介できたらと思うよ。