【弱点】知ることで成長できる小説の弱みについて
やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100)
以前『表現手段として小説を選ぶべき4つの理由』という記事で、ほかの表現媒体と比べたときの「小説」であることのメリットについてお話しました。
で、この記事の最初に「絵がない」ことのデメリットについて少しお話しましたが、今回はそういった「小説がほかの表現媒体と比べてどうしても劣ってしまう点」についてお話します。
ややネガティブな記事ではありますが、小説という表現媒体に向かないことを無理にやろうとすると効率が悪いですし、下手をすると「それがやりたいならほかのを勉強したほうがいい」となる可能性も出てくるかもしれません。
一方で、小説に向かないことを知ることによって、より効率的な成長をすることもできると思うので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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小説のデメリット(弱点)
前回の記事でも述べたとおり、小説に絵がないことは大きな強みであり、同時に弱みでもあります。
たしかに絵がないことで逆に読者の想像力を活用できるところではありますが、そもそもの話として「文章を読む」というのは大変な力を必要とする行為です。
わたしも高校生くらいまで読書嫌いだったのでこの気持ちがよくわかります。
- 活字を追うのがつらい
- 最初の1ページ目を開いたとき、何十行と文字の羅列が並んでいるのを見て頭痛がする
絵なら一発でわかることも、文章だといちいち文字を読んで意味を「理解」しなければならない。
この一連の行為は、テレビやインターネットによる映像媒体の視聴があたりまえになった昨今の人にとって、よりいっそう大変な行為になっているのではないかと思います。
①.情報を理解するまでに能動的な過程(プロセス)が必要になる
今の世の中は、受動的に情報を得られる媒体にあふれています。
テレビ、youtube、映画、etc…
こういった媒体で見る絵や映像などは、特に意識しなくても理解できる情報であることがほとんどです。
つまり、能動的に情報をくみあげようとしなくても理解できる。
むしろ勝手に目に入ってきては見たくないものまで「見て」しまうくらいですから、能動的な行為を要する文章より情報の伝達のしやすさという意味ですぐれているのは言うまでもありません。
こういった情報媒体が増えている昨今、文字というのは「映像の補完」として使われることがほとんどです。
たとえば、バラエティー番組で「ボケ」や「ツッコミ」に対して文字を出して補完する。
目で見たボケとツッコミの動作の補完として、テロップが出てくる。
するとうまく聞き取れなかった人や、一見して意味がわからなかった人でも、「ああ、そういうことか」と状況を理解することができる。
もちろんテロップがなくても理解できるのが一番だと思いますが、なにかとテロップがあることで理解の助けになることは多いです。
ところが、これが「文字のみ」になった途端、意味がわからなくなるときがあります。
それだけ絵や映像の力は強いということですね。
だからこそ小説は、小説であることの強みを理解して使わなければ、必ずほかの表現媒体に負けます。
「それ、絵とかマンガでもできるよね?」
となったらおしまいです。
普及の度合から考えても、同じ土俵で戦って勝てるわけがありません。
とらえる人によって脳内の映像に違いが出る。
あるいは、少ない言葉で多くの事柄を想起させることができる。
キャッチコピーなどはその究極系ですね。
小説でそれをやりすぎると前回でも述べたように宙に浮いた小説が出来てしまいますが、適切にそういう手法を取り入れていくのは小説という媒体を使う以上考える必要がある事柄だと思います。
②.読みはじめまでの敷居が高い
「一章だけでも読んでくれれば絶対にハマるんだ……!」
という自信作を仮に作れたとしましょう。
しかし、この一章を読ませるまでが実は非常に遠い。
小説というといまだに「小難しい」と考えてしまう方が一定数います。
また、目立つ表紙などが作りづらい一般小説ともなれば、手に取る層はかぎられてくるのではないでしょうか。
表紙の力は偉大です。
ライトノベルに関しては、1巻の売れ行きは表紙で決まるとも言われています。
ライトノベルという若年層向けの形態がだいぶ定着してきたところではありますが、中に絵が入っていることがわかっているマンガなどと比べると、やはりまだ「手に取る」「読みはじめる」までの敷居が高いのが実情ではないでしょうか。
そもそも「1章読めばハマる」と言いきれる作品を作り上げられた時点で快挙ですが、それでもなお1章を読ませるまでのプロセスは長く険しい。
だからこそ、冒頭が大事になってきます。
1章と言わず「1ページ」で。
1ページと言わず「1行」で。
冒頭に関してはもはや広告技術の粋を集めたキャッチコピーに勝るとも劣らない力を込めるべきです。
逆に、「中盤まで読めばおもしろくなる」とか、「最後まで読んだときおもしろさがわかる」みたいなものは、最初に書くべきではありません。
それはすでに一定のファンがいて最後まで読んでくれることがわかっている場合に使うべき手法です。(よほど名のある作家さんならそれでもいいと思います)
小説がほかの表現媒体より人を選ぶということを必ず念頭に入れておいてください。
そのうえで、手にとってくれた人を一瞬で引き込むような力を身に着けていくべきでしょう。
小説は最初こそ入りづらいですが、一度入ってしまえば強いです。
1冊に多くの情報、そして深い物語を込めることができます。
だからわたしも、ずっと「最高の冒頭とはどんなものか」を考えています。
【利点】創作手段に小説を選ぶべき4つの理由
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まとめ
今回は小説であることのデメリットをいくつかあげてみました。
ですが、わたしは、「物語を作りたい」「なにか創作がしたい」という人に対して、やはり「小説」をおすすめします。
今の時代の小説は「ビジネス的観点」で言えばすごく強いとは言えませんが、趣味やライフワークの一環として最強だと思っています。
ほかの記事(例:小説を書くには人生経験豊富でなければならないか?)でも何度も言っていることではありますが、小説はけっして書くのが難しいものではありません。
むしろ、
- 紙とペンさえあれば書ける
- 絵の勉強をする必要がない
- 言葉は普段から使っている
などの観点から、一番簡単だと思います。
けっして傑作を書くのが簡単といっているわけではありませんが、とっつきやすさで言えば小説に勝るものはあまりありません。
なので、とりあえず「物語が作りたい」と思ったら小説を作ってみてはいかがでしょうか。
そしてもしそれが「マンガ」や「映像」で作ったほうがよりしっくりくるようであれば、改めてそういう勉強をしてみればいいと思います。
小説を書くことで学んだ技術は、マンガや映像分野に移っても必ず役に立ちます。
というところで、デメリットについてもまた思いついたものがあれば追記していくので、その都度参考にしていただければと思います。
デメリット要約
- 小説は読者に労力を求める
- 小説は手に取る母数が必然的に少なくなる(だからこそ冒頭が大事)
- 文章の強みを忘れずに
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