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百魔の主/漫画版

創作研究室(カテゴリー別)
葵大和
ライトノベル作家
カドカワBOOKSから『百魔の主』というファンタジー戦記小説を刊行しています(既刊6冊)。またコミカライズ版が秋田書店のweb漫画サイト『マンガクロス』にて連載中です。執筆歴は15年。最近はブログ書いたりもしています。うんち。
出版作品(小説/カドカワBOOKS)

百魔の主/葵大和

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『ブルーロック』が面白い!ストライカーの在り方を描いたサッカー漫画

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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100

週刊少年マガジンで連載中のブルーロックというサッカー漫画があります。

才能の原石である300人の高校生を使って、日本に『エゴイズムにあふれた最強のストライカー』を作り出そうという途方もない計画のお話です。

よくある高校を舞台にしたサッカー漫画とは一味違って、ストライカー(点取り屋)という、サッカーにおいて象徴的なポジションに焦点を当てた作品。

これがなかなかおもしろい

この記事の著者について(葵大和)
葵です
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ブルーロックは少年誌的な面白さとサッカー玄人が好みそうな面白さの両方を兼ね備えている

サッカー漫画とひとくちに言ってもいろいろあります。

  • 少年誌らしい【努力・勝利・友情】に焦点をおいたサッカー漫画
  • サッカーという競技のおもしろさや多彩さに焦点を当てたサッカー漫画

今回紹介するブルーロックは、そのちょうど中間にある漫画で、どちらの良さもバランスよく取り入れた実によく練られたサッカー漫画だと解釈しています。

ストライカーという人種に焦点を当てている(玄人向け)

ブルーロックはサッカーという競技の性質上、登場人物が多い漫画ですが、そんな中で主人公の潔世一(いさぎ よいち)はなかなかシブい才能の持ち主です。

潔はけっして身体能力がバケモノ染みているとか、テクニックがハンパじゃないとか、そういう派手な能力を持っているわけではないのですが、

とにかく『ゴールへの嗅覚が鋭い』ストライカーです。

  • フィリッポ・インザーギ
  • ダヴィド・トレゼゲ

このあたりを思い浮かべてもらえればなんとなくわかると思います。

チョイスが古いな!!

年齢がバレる(隠してない)

ストライカー(点取り屋的フォワード)というのは、ゴールを決めてなんぼのポジションです。

90分の試合の中で、たとえ89分間消えていようと、残りの1分で決勝点をあげれば、一躍ヒーローになります。

サッカーという競技において、点を取るということに特化した人種。

そして往々にして、世界的な名ストライカーというのは『自分が点を取る』ということにすさまじいまでのエゴを発揮します。

この、チームプレイと逆行する圧倒的な個のエゴというものにあえて焦点を当てたのがブルーロックというサッカー漫画なのです。

(©ブルーロック)

一般的な『勝利・友情・努力』を主眼としたチームスポーツの漫画とは一線を画します。

でも、だからこそ、サッカーが好きな人にはたまらない表現が随所にちりばめられています。

テーマはサッカー好き向けだが、魅せ方は万人受けしやすいよう工夫がされている(融合)

ブルーロックの良い所は、テーマは実にサッカー好きがワクワクしそうなちょっとニッチを攻めていながら、

描き方や魅せ方はしっかりと万人受けしやすいように最大限の工夫がされている。

という点です。

  • サッカー漫画でありながらバトル漫画風にも読める展開
  • 個のエゴをテーマにしながらそのうえで成り立つチームプレー
  • ド派手な演出
  • わかりやすい感情表現

特にド派手な演出はそれのみでもグっと来るものがある素晴らしさです。

(©ブルーロック)

ホントかっこいい。こういうエフェクト表現超好き。

勝ち進む、成長の物語(王道の展開&たまに邪道も取り入れつつ)

それでもブルーロックは、基本的に主人公潔(いさぎ)を中心にした成長物語になっています。

次々に与えられる課題をクリアし、ときにそのエゴで別のプレイヤーを蹴落とし(邪道)、貪欲に勝利していく

この邪道の部分は、必ずしも万人受けする部分ではないでしょう。

でも、ストライカーという人種に焦点を当てるのならば、むしろ書かねばならない部分です。

このブルーロックというサッカー漫画で、『仲良しこよし』を書いたのでは良さがまったくなくなります。

そういった邪道を描く必要があるからこそ、それ以外の部分では王道を描き方をしている。

そんな印象を覚えました。

エンタメの商業市場では、たびたび創作者は、

  • 『自分が書きたいもの』
  • 『売れるもの』

という2つの間で葛藤します。

そういった葛藤をこの漫画に感じました。

そしてそのうえで、『自分が書きたいもの』と『売れるもの』をうまく折衷(せっちゅう)させている一例として、ブルーロックという漫画はひとつの見本になると思います。

ちょっと話がずれましたが、こういう悩みを持っている創作者の人は、このブルーロックを読んでみると気づけるものがあるかもしれません。

今後も展開が楽しみなサッカー好きにイチオシな漫画!

そんな感じで、ブルーロックは個人的に今イチオシなサッカー漫画です。

ひとりのサッカー好きな読者としてもそうですし、ひとりの創作者としても非常に興味深い漫画でした。

もちろんまだ連載は続いているので、今後に期待。

ぜひこのまま潔たちがどこへ向かうのか、最後まで見届けたいな、というところで。

今回はここまで!

余談:ほかのサッカー漫画を玄人向け・万人向けで分けてみた

こちらの記事でわたしの読んだことのあるサッカー漫画を、

  • 玄人向け
  • 万人向け

で分けてみました。

ブルーロック以外のサッカー漫画を探しているという方はぜひ参考にしてみてください。

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