主人公最強モノは書くのが難しい?作家目線で分析する『俺TUEEE系』作品

やあ、(それでも最強には憧れる)葵です。

主人公最強系、いわゆる俺TUEEE系作品が最近はたくさんありますね。

わたし自身は特段『すごい好き!』というわけではありませんが、それでも主人公はある程度強くあるべきだとも思っています。

とはいえ、主人公最強モノと言っても、

  • 最初からぶっちりぎりで最強
  • 最終的には最強になる
  • 周りの大多数と比べると圧倒的だけど稀に同レベルの気配がする

などなど、主人公最強といっても魅せ方に結構バリエーションがあります。

今回はそのあたりも含めて、主人公最強モノについて作家目線でいろいろ語ってみたいと思います。

  • こういう書き方がいいんじゃない?
  • こういうやり方もあるよ
  • この作品は見せ方が本当にうまいよ(実例)

っていうのもわたしなりに挙げてみるので、興味のある人は見てみてね。

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主人公最強モノは書くのが難しい?作家目線で見る俺TUEEE系分析

結論から言うと、主人公最強モノは書くのが難しいと思います。

その理由は、ストーリーの軸となる『目的に対する障害』が書きにくくなるからです。

ちょっとやそっとの障害では、

  • 主人公が出れば解決じゃん
  • あいつ一人でいいんじゃないかな

となってしまいます。

そのうえ、もしそこで無理に主人公を足踏みさせると、最強モノだと思って読んだ読者は違和感を覚えてしまいます。

  • なんで主人公最強なのにそんなことで手間取るんだ
  • ご都合主義が透けて見える

ご都合主義自体はけっして悪くないんです。

問題は魅せ方が悪いのであって、世の中のエンタメ作品は出来事だけ分解するとだいたいご都合主義になってます。

それが主人公ってもんです。

言い切ったな。
都合よく!なんでお前だけ!神様に拾われるわけよ!!

そのあたりは蛇足になるのでこれくらいにして。

次項からもうちょっとくわしく分析していきます。

言葉どおり主人公がぶっちぎりで強い場合:一番書くのが難しい

ぶっちぎりで主人公が強い場合、山や谷のある物語を作るのはとても難しくなります。

というのも、なまじ主人公の身近でなにか事件や出来事が起こっても、主人公が持ち前の最強っぷりを発揮して事件をちょちょいのちょいと解決してしまうからです。

お前もうちょっと手間取れよ!! これじゃ山も谷も作れねえ!!(作家の声)

あと大事なのが、読者もそういう爽快感を求めているということです。

主人公が持ち前の強さでどんどん問題を解決していく姿を見たいのです。

山や谷のあるストーリー構成には向かない

こういう主人公を軸に据えてそれらしい困難や問題に立ち向かう姿を描きたかったら、主人公自身ではなく周りを使って主人公が強さを発揮できない状況を作るしかありません。

しかし、これも諸刃の剣で、主人公が強さを発揮できない状況に読者はフラストレーションを溜めます。

その状況が周りのキャラクターによって作られてしまったものなら、仲間であろうとヘイトが溜まります。

主人公がぶっちぎりで強い場合は、とにかく話の種になるような障害を作るのが難しいのです。

主人公がぶっちぎりで強い場合は問題→解決の連続でストーリーを構成する

そのため、主人公がぶっちぎりで強い場合は、

  1. 問題が起きる
  2. 主人公が解決する

基本的にこの連続でストーリーを構成するのが効果的だと思います。

読者もまたそれを求めて作品を読んでいます。

対策とか、準備とか、そういうのじゃなくて、問題を解決する瞬間の爽快感を求めている。

ただ、次々に問題を起こすっていうのは作る方はとても大変です。

そしてこれはあくまでわたしの場合ですが――

書いていて飽きる。

(どうせコイツが解決するしなぁ……先が見えてるしなぁ……)
気の抜けた顔をしている……

※あくまでわたしの場合です。

ただ、こういう展開を苦じゃなく書き続けられる人もいると思います。

そういう人は、ぶっちゃけエンタメの才能があると言って良いでしょう。

時流にも合ってる! どしどし書こう!

ただし、世に出ているこのタイプの作品は大体『独自の魅せ方』を確立している

商業等で世に出ている作品は、たとえ主人公がぶっちぎりで最強でも、物語に起伏を付ける独自の工夫がなされているものが多いです。

だから、おもしろいわけです。

個人的に「うまいなぁ」と思う作品は、たいてい主人公の強さ以外の部分に焦点を当てるのがうまいです。

  • 主人公が勝つことで周りの状況が好転していくさまを起伏込みで描く
  • 主人公は最強のまま、フラストレーションにならない程度に周りに問題が起こる

こういうバランスが非常にうまく取れている作品が多いです。

とにかく『魅せ方』がうまい。いやホントに。

ラノベだとこのあたり

漫画だとこのあたり

なお異論は認める。

最近アニメ化した『この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる』も視点ごと入れ替える(&コメディ調)という新しい魅せ方で、おもしろいなぁと思いました。

最終的に最強になるパターン:書きやすいが読者の想定と食い違う可能性がある

『小説化になろう』にもたまにタグとしてありますが、主人公が最終的に最強になるパターン。

これが最強系の中では一番書きやすいと思います。

最初のほうに起伏をつけたり、「最終的に強さ関係を覆しますよ」という伏線を入れられるからです。

この伏線の回収に向かって物語を構築できるので、方向性が定まりやすい。

ただし、最初のころは最強ではないわけなので、『最初からぶっちぎりで強い主人公』を求めて作品を手に取った読者は、

  • なんか違う

そう思って離れてしまうこともあります。

これは最強という言葉を使う以上、仕方のないことです。

もはや「最強モノとはなにか」という定義の話になる。

想定との食い違いを和らげる方法は『期待感を持たせる』こと

こういった読者の想定との食い違いをできるだけやわらげるためには、早い段階で

  • こいつヤバいよ
  • 最終的にめちゃくちゃ強くなるよ
  • 爽快なシーンが来るよ

そういう期待感を持たせることです。

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そもそもこういったタグ自体が予防線になっているわけではありますが、作中でもそのあたりの期待感を見せておくのは重要です。

このタイプの作品は?

たぶん世にある最強系で一番多いのはこのタイプなので、これという作品は思い浮かびません。

が、おそらくわたしが書いている『百魔の主』も比較的このタイプに分類されるんじゃないかな、と思います。

とはいえ『百魔の主』も人によって捉え方が違うと思うので、断言はしない方向で収めておきます。

むしろ異論を認める!! どういうふうに見ているか気になる!!

周りの大多数と比べると圧倒的だけど同レベルの気配がするパターン

現状では最強だけど、主人公と同レベルのバケモノが出てきそうな気配がある場合です。

これがたぶん一番テクニカルです。

そしてテクニカルなだけに、圧倒的な最強とは違う意味で塩梅(あんばい)が難しいです。

基本的には『ぶっちぎりで強いパターン』の構成に準じる形で、

  • 問題が起きる
  • 主人公がそれを解決する

こんな感じで物語が進みます。

しかし、随所随所に「同じくらい強いやつの気配」を感じさせるシーンを入れます。

そうすると、主人公がそれを警戒する形で、物語が出来ます。

  • もしかしたらこういう場合があるかもしれないから用意しておこう

結局のところ、主人公の足踏みに十分な説得力を持たせられれば、それはそれでアリという感じです。

このあたりは作品のリアリティの話になってくるので、いやはや、難しい。

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書きやすさ的には『ぶっちぎり』パターンと同じくらい難しい。

「フラストレーションになる・ならない」の基準が人によって一定ではないからです。

このタイプで「すごくうまいなぁ」と思った作品

オーバーロード

とにもかくにもオーバーロードはうまい。

最強系と呼ばれる作品で、「うっは、なにこれめっちゃ魅せ方うめぇ!」と思ったのがオーバーロードでした。

基本的にアインズ様の独壇場だけど、アインズ様自身の回想と、

  • ほかにも同じくこの世界にやってきている者がいるかもしれない

という可能性を見せることで、うまく物語に起伏をつけているなぁ、という印象でした。

アニメもおもしろいよ!

まとめ:物語の質に合わせて主人公の強さの魅せ方を考える

わたしの独断と偏見でパターンをいくつかわけましたが、結局のところ、『最強モノとはなにか』という議論になってしまうと思います。

それでも、世に言う『最強モノ』を書くのが意外と難しいというのは間違いなくて、仮に最強モノであっても、そこに違和感のない魅せ方があるかどうかが重要だと思います。

それぞれの最強モノのパターンで、読者が求めているものを考えてみたり、最強の指す質によって魅せ方を考えるというのは、「最強モノで読まれる作品を描きたい」という人にとって意外と重要です。

もちろん、あまり難しいことを考えずに魅力的な魅せ方ができる人も中にはいるかもしれません。

そういう人は間違いなく時流に合っているので、ぜひおもしろい作品をたくさん書いてください。

わたしも最強モノを読むのは好きなので、「これ面白いよー」っていうのがあればぜひ読んでみたいと思います。

そんな感じで、ちょっと沼に片足を突っ込んだ気がするのでこのあたりで。

終わり!

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