ブルーピリオドの面白い所を紹介するよ|人の情熱と迫力に鳥肌がたつ
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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100)
読んだとき鳥肌が立つマンガはたいていおもしろい。

独自の判断基準。
でも実際、『鳥肌が立つ=感情が動く』だと思うんですよ。
そして読む人の感情が動く物語はおもしろいんですよ……!
圧倒的な熱量と静かな迫力【プルーピリオド】
(すばらしい)
あらすじ
成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!(Amazon公式紹介文)
魅力と見どころ①主人公への感情移入/共感がしやすい
これは特に若い人(大学生も含む)に読んでもらいたいな、と思っています。
というのも、あらすじにもある主人公八虎の、どこか空虚な焦燥感というのが、とても親近感を持てる感情だからです。
八虎は成績優秀で、いわゆるスクールカーストも上位で、高校生としてはなに不自由ない生活を送っているのですが――
それでもどこか物足りなさを感じている。
この、青春期独特のニヒリズム、うまく言葉にできない感情を、見事に作中で表現してくれています。
ああ、うん。
まあ言葉(セリフ)もクッソうまいんだけどね。

だろうな。
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最近言葉を使うのがうまいマンガ家さん多くないですか?(小説屋)
話がそれましたが、このブルーピリオドの主人公は、現代に生きる若い人の等身大の姿で、読む人が共感しやすい主人公だと思います。
セリフのうまさならこのマンガもオススメ!

魅力と見どころ②演出の迫力がハンパない
絵って喋りませんよね?
まあ「目は口ほどに物を言う」みたいな慣用句があるように、言葉じゃないけど語りかけてくるものはあります。
この作品における絵画も、それくらい物を言います。
でもそれは、正確には絵そのものがすごいというより、そう感じさせる演出が神掛かっているんです。
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実際に絵もすごいけど、絵は美術館とかで直に見るのをオススメするよ。
コマ割りとか、見開きの使い方、主人公八虎がどれだけ衝撃を受けて、その感情が揺れ動いたか。
そういうシーンを見せる力が、圧倒的です。
で、主人公八虎はとある絵に感情を大きく揺さぶられて、それまでのどこか空虚感のあった生活を捨て、絵画にのめり込みます。
ここはわたし自身、高校生のときに一冊のファンタジー小説に感情を揺さぶられて、実際に小説家になった経緯と似ていたので、すごく共感しました。
その辺の経緯はプロフィール記事に書いてある

魅力と見どころ③主人公を応援したくなる
実際に絵画にのめり込むようになった主人公は、周りと比べてとても不利な状態でした。
絵画の技術というのは、一朝一夕にどうこうなるものではありません。
高校三年生というギリギリのところで進路を変えた主人公八虎は、とても器用ではあるけれど絵画の道ではまだまだヒヨコ。
それを自分自身でわかっていながら、それでも絵画の道を諦められず、おくれを取り戻そうとすさまじい熱量でひたむきにがんばる姿はとても好感が持てます。
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がんばれ! 八虎!

(お前もこれくらいやれ)
こうして応援したくなるのも、魅力①で話した「主人公への感情移入/共感」がしやすいからだと思います。
それを含めて、本当に読ませる技術が高いと思いました。
魅力と見どころ④ほかのキャラクターも個性があって良い
八虎はやがて美大に行くことを決意するのですが、それに伴って入った美大予備校の他キャラクターも個性的でとても良い。
- 天才キャラ
- 独自の美学持ち
- 男の娘
- 絵画マニア
芸術に生きている、という言葉に恥じない個性です。
でも、彼らにも彼らの美学があって、それでいて若者としての心もあって、そういう絶妙な心理が作中で見事に表現されています。
これ以上わたしを感動させないでくれ。
けっしてすべてに共感するわけではなくとも、「ああ、その気持ちちょっとわかる」という思いを、それぞれのキャラクターが持っている。
主人公だけでなく、他のキャラクターも魅力的なら、そんなのおもしろいに決まってるじゃないですか。
キャラクターについてこちらの記事もオススメ!

まとめ
ということで今回は絵画がテーマの傑作マンガ、『ブルーピリオド』についてご紹介しました。
- 物を言わないのに心を動かす絵画の迫力
- それを表現しきった演出力
- 個性的なキャラクター
- 応援したくなる共感型の主人公
そういったものが詰め込まれているこの作品は、まさしく傑作だと思います。
