やあ、(百魔の主を書いている)葵です。(@Aoi_Yamato_100)
小説は推敲(すいこう)が大事というけれど、どこを直すのがもっとも効果的なのかわからない。
推敲(すいこう):文章を良くしようと何度も考え、作り直して、苦心すること。文章を足したり(加筆)、逆にいらない文章を削ったり、リライト全般のことを指す。校閲や校正も似たような感じ。
そんな『推敲のやり方がいまいちわからない』という人のために、葵大和がおすすめする特に見るべき推敲ポイント3選をご紹介します。
10年以上小説を書いてきた経験談と、実際に小説を出版するに際して編集者から言われたポイントを踏まえているので、なかなか参考になると思います。

小説の文章を読みやすくするためのオススメ推敲ポイント3選
最初に結論から言っておくと、主なポイントは以下の3つです。
- 同じ意味の文章が並んでいないか
- 読めない漢字はないか
- 誤字脱字はないか
それぞれ個別に説明していきます。
同じ意味の文章が並んでいないかを確認する
「同じ意味の文章が並んでいる」のは、かなり読みやすさに悪影響があります。
わたし自身これでかなりの失敗をしてきたので、ぜひ推敲時には確認してもらいたいポイントです。
実際に例をあげてみましょう。
太郎は椅子に座ってから怪訝な表情を浮かべた。
眉をひそめていぶかしげに花子を見る。
「花子、おまえ――」
\うんこ漏らしたのか?/


さて、この例文ですが、とりあえずとってもアウトです。
この文章は、二行目を削除して、一行目だけで十分です。
- 「怪訝=いぶかしい」が同じ意味
- 「眉をひそめて」をわざわざ入れなくても「怪訝(けげん)な表情を浮かべた」で十分に状況を説明できている
同じ意味の文章が続くと、文章のリズムがとても悪くなります。
読者は頭の中で状況を想像しながら文章を読み進めます。
その関係で、同じ動作や状況の説明が二度続くと、作品への没入感が失われてしまいます。
もっとわかりやすくしてみましょう。
太郎は椅子に座った。
太郎は椅子に腰かけた。
「花子、おまえうんこもらしたのか?」
この「太郎は椅子に腰かけた」って文章、邪魔者以外の何者でもないでしょう?

これは誰もがやりがちなポイントで、かつ、かなり重大な文章の誤りです。
読者はこういう文章を見た瞬間、読むのをやめてしまうことさえあります。(実際にわたしもよく指摘されました)
こういう文章を発見したら、容赦なく削除してください。
文章に関して言えば、「なんの益(えき)もなく害しかもたらさない極悪な文章」というものが存在します。
「それでもあなたは生きていていいのよ……」とか慈悲を与える必要はないのです。

読めない漢字をひらく
書いているほうは読めるが、一般的な読者は読めないという漢字があります。
なぜ書いているほうは読めるのか。

- 普段使わないような漢字は使わないほうがいい
- 自分で書けない漢字も使わないほうがいい
むしろ書ける漢字も「中学生くらいだと読めないかな……?」と思うのであればひらいたほうがいいことが多いです。
※「漢字」を「ひらがな」に変換することを「ひらく」と言います。
(例:出来る⇒できる)
もちろん、難しい漢字でも「どうしてもここはこの漢字じゃないとダメだ!」というのであれば使ってもいいとは思います。
しかし、読者の「読みやすさ」を考えるのであれば、そもそも別のわかりやすい言葉を使ったほうがいいでしょう。
誰かに読んでほしいと思っているなら、読みやすさは正義です。
実際に書店で売られている小説を手に取って、どの漢字に「フリガナ」が振られているかを意識して読むと、読める読めないのラインがわかるのでおすすめです。
ちなみに「漢字のひらきかた」にも作家の個性がよく出るので、好きな作家の作品を読むときには少し注意して読んでみるとおもしろいです。
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誤字脱字を直す
書けば書くほど増える誤字脱字。
書き続けるかぎりこいつが消えることはないんじゃないかと思っている。
そんな誤字脱字さんたちですが、些細なわりに読むほうにとっては一大事。
誤字脱字にもヤバさのレベルがあって、弱めのやつならまだいいんですが、物語世界を楽しんでいた読者を一発で現実に引き戻すレベルのやつもいます。
書くのに慣れていない段階だと誤字脱字というのは頻発するものなので、推敲時はよく確認してください。
誤字脱字に見つけ方や直し方については下記の記事でくわしく書いているので、参考に。
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まとめ:小説を推敲するときはこの3つのポイントを見る
もう一度「特に注意してみるべき推敲ポイント」を確認しておきましょう。
- 同じ意味の文章が並んでいないかを確認する
- 読めない漢字をひらく
- 誤字脱字を直す
これを押さえるだけでも文章としてはかなり完成度が高くなるので、推敲の際にはぜひ参考にしてください。