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百魔の主/漫画版

創作研究室(カテゴリー別)
葵大和
ライトノベル作家
カドカワBOOKSから『百魔の主』というファンタジー戦記小説を刊行しています(既刊6冊)。またコミカライズ版が秋田書店のweb漫画サイト『マンガクロス』にて連載中です。執筆歴は15年。最近はブログ書いたりもしています。うんち。
出版作品(小説/カドカワBOOKS)

百魔の主/葵大和

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小説における伏線の張り方と回収のやり方【葵大和の場合】

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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100

みなさんは物語の伏線(ふくせん)ってどれくらい考えて書いていますか?

ミステリー小説なんかでは犯人に関するアっと驚くような伏線があったりして、ついつい読み返したりしてしまいますよね。

ちなみにわたしはあまり狙って書いてません。

えっ!

「これからアっと驚くような伏線の書き方講座!」みたいなのがはじまると思った方には申し訳ありませんが、そういうのはないです。

胸を張って言うな。

ただ、わたしが書く作品はちょくちょく『伏線』とか『昔のシーンからの繋がり』みたいなものが感じられて良い、という感想をもらうことがあります。

せっかくですのでわたしはどんなふうにそういう物語を書いているかをまとめてみたいと思います。

この記事の著者について(葵大和)
葵です
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伏線は『作る』というより『勝手に生まれていた』に近い

わたしの場合、伏線は『作る』というより『勝手に生まれていた』に近いです。

これだけ聞くと伏線は簡単に作れそうな気もしますが、それには前提があります。

キャラクターのリアリティが土台にある

以前、リアリティについて少しお話しました。

簡単にまとめると、

そのキャラクターの言動や行動に一定の軸があること。

このキャラクターのリアリティがしっかりしていると、伏線も生まれやすくなります。

『だからあのときそうしたのか!』という一貫性から来る気づき

リアリティのしっかりしたキャラクターは、与えられた状況に応じて信念(ポリシー)にのっとった言動や行動をとります。

あるいは、持っている能力などもキャラクターの性格に影響を及ぼすので(逆もまたしかり)、そういったキャラクターの持つ性質が一貫していると、のちのちになって因果関係を説明しやすくなります。

その結果、一見すぐに理解できなさそうな出来事や行動に関しても、リアリティの土台があることでつじつまが合わせやすくなるのです。

(今つじつまを合わせるって言った)

(伏線回収の第一歩はつじつま合わせから)

パズルをしている感覚に近い

なんというか、伏線張りや伏線回収はパズルをしている感覚に近いです。

まだ先があるパズルのピースを繋ぎつつ、いったん止めておいて、なんか気づいたら逆方向からピースがハマった。

伏線回収の図

もともと想定されていなかっただけあって、接着面はちょっと粗いので、そこだけ少し整えてあげると『伏線の卵』が晴れて『伏線』になる。

ほかにも、

  • 『昔まいた布石が気づいたら目の前に転がってた』
  • 『立てたつもりがないけどよく見たらフラグが立っていた』

こういうことがよくあります。

わかる人いない?

まあこれは設計図をちゃんと作っていないから、という意味で良いことではないのかもしれませんが、こういう『意図してない伏線が繋がった』ときは書いている側として快感があります。

作品が成長してくれたという実感があるんです。

外側から作品を読む読者にはあまり関係ないかもしれませんが、書く側としては結構これでモチベーションが上がったりします。

なので、けっして悪いことばかりではないのではないか、というのが自論です。

適度に広がりを持たせておくことは大事

物語が長くなったり大きくなるほどこういう意外な伏線というのが発生しやすくなるので、設定や話に適度に広がりを持たせておくことは意外と大事です。

『布石をちりばめておく』という感じ。

布石まくぜまきまくるぜ~。

ただしやりすぎると輪郭がぼんやりしてしまうので注意。

この適度感をいかにして把握するかが練習すべき場所だと思います。

ちなみにわたしはよく広げ過ぎて「やべぇ……」ってあとからなることが多かったです。

今もたまにありますが、さすがに10年以上小説を書いてるとなんとなく勘が働くようにもなるので、「あとで回収できるかちょっと微妙……」というものはほうっておいても「まあいいか」くらいで流せる残し方をするようになりました。

まあそれでも筆がノってるとやりすぎるんだけど。

それはそれで良いと思います。

ノってるときに書いたものって、勢いがあるからね。

そしてたいてい悪い結果にはならない。(独断と偏見に基づく)

まとめ:つじつまを合わせる技術を磨く

意外とこういう方法で物語を作る人もいるみたいで、プロの作家さんやシナリオ系のライターさんのインタビュー記事なんかでも、『つじつまを合わせるのは得意』という人を見ました。

この能力は物語をつむぐ上では結構重宝をするので、『話を繋げる』『設定を繋げる』という意識を日々持っておくと今後に活かせるかもしれません。

とはいえ、もちろんミステリーの場合や、話の根幹に関わるような大きな伏線は、ある程度練ってから使ったほうが良いこともあります。

そういう伏線を作りたい・使いたいという場合は、しっかりプロットを組んで「ここに落とす」という意識で物語を作ってみましょう。

でもプロットは作って満足しちゃうこともあるから注意ね!

お前はプロット作ると勢い落ちるタイプだよな。

プロットに関してはこちら

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