キャラクターの個性付けには職業や役割性を利用すると良い
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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100)
個性がしっかりあるキャラクターって覚えやすいですよね。
基本的にキャラクターが文字でしか登場できない小説上で、いかにしてキャラクターに愛着を持ってもらうか(覚えてもらうか)は非常に重要な命題です。

(こいつ誰だっけ……)
その一環として、読者にキャラクターを覚えてもらうためにはネーミングが大事だとお話しました。
それに加えて、さらにキャラクターの覚えやすさを加速させる手段があります。
それがキャラクターの職業です。
キャラクターの個性付けには職業や役割を利用すると良い
キャラクターというのは、読者に覚えてもらってはじめて形になります。
書く側はそのキャラクターがどういう人物か詳細な設定まで知っているのでほかのキャラクターと区別がつきますが、はじめてその物語を読む読者にとってはそうではありません。
キャラクターが覚えにくいと読者にとってはストレスになります。
そんなときに役に立つのがキャラクターの職業や役割。
特にファンタジーなら、RPG的な職業がわかりやすいと思います。
職業はキャラクターの動機付けにも繋がる
また、職業を持たせるとキャラクターの動機や背景も設定しやすくなるので、一石二鳥になります。
キャラクターの動機と背景の重要性についてはこちらで
この動機が一貫していないと、キャラクターというのは輪郭がぼやけてしまいます。
その人物が、
- なにをする/したがるキャラクターなのか(動機)
- なぜそういう職業になったのか(背景)
- なにができるキャラクターなのか(役割)
このあたりを意識しながら、職業を考えてみましょう。
実際にキャラクターの職業例を挙げて考えてみる
わたしはファンタジーやRPGゲームが好きなので、さきほども少し挙げたRPG的な職業で考えてみます。
ファンタジーやRPGゲームにおいては、長年のRPGゲームの台頭によって、すでに『よくある職業』に対して一定の共通認識が生まれています。(これも大きい)
たとえば、冒険者という職業を持ったキャラクターがいたとすると、こうなります。
職業:冒険者の場合

- 未知が好き/好奇心旺盛
- 冒険したがる/探索したがる
- 探索ができる/危険な場所でのサバイバル術を知っている
シンプルに考えるとこういった動機(行動基準)が生まれてきます。
しかし、冒険者というのは必ずしも好奇心旺盛だからなるわけではありません。
そこに冒険者になったそれぞれの背景があった場合は、動機もまた異なります。
ここは作品の世界観との兼ね合いもありますが、冒険者という職業はその内容にかなりのバリエーションがありつつ、そのどれもがたいてい読者にとって違和感のない共通認識になるのでとても便利です。
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登場人物が全員冒険者のときは『冒険者になった理由』で差別化すると良いよ。
背景についても考えてみると、パっと思いついただけでこれだけあります。
- 知らないことを知るのが好き(好奇心)
- 未開の地にあると言われる薬草を求めて(自分or誰かの病気を治したい)
- 危険だがお金の割が良い(お金のため/生活のため)
- 昔に別れた友達/家族を探している(旅人風)
こんな感じで、冒険者になった背景の違いだけでもキャラクターの性質がわかりやすくなってきます。
『①知らないことを知るのが好き』なキャラクターであれば好奇心旺盛で、未開の洞窟を見つけようものなら真っ先に飛び込みそうなキャラクターができるかもしれません。
『②未開の大地にあると言われる薬草を求めて』冒険者になったキャラクターなら、医学や薬学、植物学についてよく知るキャラクターになるでしょう。
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それでもって薬草を求める理由が『誰かを治すため』ならどこか陰のあるキャラクターにもなりえます。
あくまでパターンの一例ですが、こういった観点から『○○といえばあのキャラクター』というのが作品内で定着すると、そのキャラクターは読者に覚えてもらいやすくなります。
職業はキャラクターのもっともわかりやすい特徴である

職業はキャラクターの性質をもっともわかりやすく表現する指標の一つです。
人間というのは非常に多面的で、性格といっても一言で表せないことがほとんどです。
だからこそ性格も尖っているキャラクターというのは読者が覚えやすく、ときに爆発的な人気を誇ることもありますが、あまりとがらせすぎるとリアリティの欠如も招きかねません。
そんなときに『職業』でキャラクターを特徴づけると、性格以外でキャラクターの性質の軸が生まれるので、読者にとって覚えやすいキャラクターになります。
むしろこの『職業』を決めてから、その『背景』に差異を持たせることで、性格を特徴づけるとより輪郭のしっかりしたキャラクターが作れると思います。
『このキャラクターなんか特徴ないな……』
そんなふうに迷ったときは、ぜひそのキャラクターの職業について考えてみてください。
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