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百魔の主/漫画版

創作研究室(カテゴリー別)
葵大和
ライトノベル作家
カドカワBOOKSから『百魔の主』というファンタジー戦記小説を刊行しています(既刊6冊)。またコミカライズ版が秋田書店のweb漫画サイト『マンガクロス』にて連載中です。執筆歴は15年。最近はブログ書いたりもしています。うんち。
出版作品(小説/カドカワBOOKS)

百魔の主/葵大和

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長編を書くのが難しいと感じる人へいくつかアドバイスをしよう【小説/ラノベ】

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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100

「長編小説が書きたいけどそんなに長く書けない」

そんな悩みを友人から相談された。

\という設定で話を進める!/

葵大和(狐面)

あっ、はい。

でも実際に言われることはあるわけですよ。

「長編小説一冊が12万文字? それって原稿用紙にすると何枚?

300枚。(あらかじめ用意されている答え)

「300枚ってやばいね!」

そのころの葵の脳内がこちら

葵大和(狐面)

(400で割るくらい自分で出来るだろ)

年末の繁忙期で心が荒んでいます。

この記事の著者について(葵大和)
葵です
タップできる目次

小説やラノベは長編にしたくて長編にするのではないって話

今回のお話をするにあたって、まず前提から勘違いを矯正する必要があります。

それが、

小説は長編にしたくてするのではなく、なるべくしてなる

ということです。

こういう悩みが出てくる人は、たぶんとても面白いと感じる小説を読んで、

「自分もこういう壮大な話が書きたい!」

と思った人が多いのではないでしょうか。

それ自体はとても良いことで、「自分もこういう話が書きたい」という思いは創作の原動力になります。

一方で、

「でもなんか壮大にならないなぁ」

という人はそもそもとして話のネタが間違っている可能性があるのです。

話のネタが小規模なら普通は長い話にはならない

当たりさわりのない自分の日常を小説にしたところで、同じ毎日が繰り返され、特に真新しいイベントも起こらず、

  1. 起きた
  2. 仕事した
  3. 帰ってきて寝た

そんな三行の日記みたいな小説が出来上がります。

……。

そう、わたしの繁忙期の生活だ。

もちろんこういう当たりさわりのない日常を大きく広げていくのも作家の腕の見せどころです。

でも、「長編にしたいけどなかなかできない」という悩みを抱く人はまだその段階にいません。

だからうまく長編が書けないという人は、まずその題材から見直してみるべきです。

すべての障害が解決したとき話が終わる

小説は、そのテーマや題材における障害が解決したときに話が終わります。

一件落着、と言えるような状態になればひとまずそのお話を終わりにして差しつかえないでしょう。

結局のところ、小説(物語)というのは、

  1. 事件(問題)が起こる
  2. 障害にぶち当たる
  3. 乗り越える
  4. 一件落着

この流れが基本形です。

で、この②における障害が、たくさんあったり、大きかったりするときに、書かなければならないことが増えて自然と長編になるのです。

どんな題材(ネタ)にすれば長編になるのか

じゃあ実際にどんなネタを使えば話が大きくなるのかといえば、

葵大和(笑み)

/とりあえず世界を敵に回せ\

なんか魔王みたいなこと言い出しましたね!?

世界を敵に回すことで理不尽なまでに障害が膨れ上がります。

この状態で一件落着を目指すには世界征服するか道破れて死ぬかくらいしか終わりがないのでめちゃくちゃ長くなります。

極端なことを言っているかもしれないけど、考え方の話です。

もちろん、書いていくうちに途中で別の道が見えてきて、当初敵対していた世界と和解する道なんかも出てくるかもしれません。

それでも間違いなく当たりさわりのない日常やそれに類する題材で小説を書くときよりは長くなります。

目指すべきところは長くなりそうな話をいかに短くするか

とはいえ、中には世界を敵に回しても、見事に読者を楽しませつつ短くまとめてしまう化物みたいな作家がいます。

最初からこのレベルになれというのも無理な話ですし、できたら天才なのでわたしにもコツを教えてください。

ですが、

長くなりそうな題材をうまく短くまとめる

という力は小説を書くうえでとても重要な力です。

それどころか言葉を使う行為であればあらゆる場所で重要となる力です。

最終的には小説もそのスキルを使って、密度の濃い話をできるだけたくさん読ませるというところがゴール地点なのではないかとわたしは思います。

それでもまだ悩む人へ小手先のテクニックを教える

というわけで、ひとまず、

  • 長編を書きたいけど難しい
  • 長く書けない

という人は自分の作品のテーマを見返すのが一番です。

しかし、さすがにこのままで終わらせるのもなんなので、

題材は変えずに文量を多くしたい

そんな人のために手っ取り早く文量が増えるテクニックをお教えします。

ものは使いようなのでうまく活用できれば面白さを維持できますが、下手に使うと一気に作品の質を下げてしまうこともあるので注意してください。

視点を変えてみる

一つの物語を、主人公以外の別の視点から描くと文量は増えます。

特に、主人公とは違う意見を持ったキャラクターを視点にするとおのずと文量は増えるはずです。

一応このテクニックを使うときの注意点としては、

同じ時間軸で視点を変えないこと

要するに、目の前で起こった同じ事件についてキャラクターを変えて語るようなことはしない、ということです。

たしかにキャラクターを変えることで違った描写ができますが、作品を読んでいる読者は一度それを経験しているので、よほど興味深い出来事でなければ蛇足になります

「違うキャラクターから見た感想そのもの」が読者を楽しませるエッセンスになりえないのであれば、同じ時間軸での描写はできるだけ控えたほうがいいでしょう。

新しいキャラクターを出す

既存のキャラクターのみでうまく話が続かないときは、シーンの切れ目で新しいキャラクターを出してみるのも手です。

もちろん使い捨てのキャラクターでは意味がないので、読者が興味を持ってくれそうな魅力的なキャラクターを作りましょう。

新しいキャラクターが出てくると、既存のキャラクターとの掛け合いで文量は増えます。

もちろんそれだけ描写も増えるはずなので、とりあえずいっぱい書きたいという人は試してみるのも手です。

ただし増やしすぎるとあとで死ぬ。

唐突な死!

長く書かなければ解決できないような舞台設定とテーマを選ぼう

小手先のテクニックについてもお話しました。

ですが何度も言うように、「長く書きたいけど書けない」と自分で思うのであれば、それは題材の選び方や舞台設定がそもそもとして長編向きでない、という可能性があります。

小手先で文量だけ増やしてもあまり良いことはありません。

小説やライトノベルは、一度書いてからいらない部分を削る作業にこそ大いなる高い完成度への道があります。

長編小説というものは、

自然と長くなるべくしてなる

これはわたしが13年以上小説を書き続けてきて悟った大きな気づきです。

ぜひ念頭において舞台設定やテーマを見直してみてください。

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