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百魔の主/漫画版

創作研究室(カテゴリー別)
葵大和
ライトノベル作家
カドカワBOOKSから『百魔の主』というファンタジー戦記小説を刊行しています(既刊6冊)。またコミカライズ版が秋田書店のweb漫画サイト『マンガクロス』にて連載中です。執筆歴は15年。最近はブログ書いたりもしています。うんち。
出版作品(小説/カドカワBOOKS)

百魔の主/葵大和

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ファンタジー作家になるために勉強しておくと良い教科ランキング

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やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100

さっそくですが、学校の勉強は好きですか?

わたしは学校の勉強が好きではありませんでした。

テストで良い点を取ったり、良い大学に入るためには必要だけど、そもそも良い大学に入りたいと心から思ったことなんてないし、入ったからといって別にやりたいこともない。

結局のところ、大学へ行くことに目的意識が持てないと、勉強って身が入らないですよね。

でも、逆に言うと、自分が将来なりたいものがあって、そのために勉強が必要であるなら、誰にだって勉強はできると思うんです。

わたしも「作家になりたい」という夢ができてから、勉強に前向きになることができました。(大人になってからだけど)

そこで、今回は実際にファンタジー作家になったわたしが、

「ああ、学生のときにあの教科をもっと学んでおけばよかった!」

と大人になってから思った学校の勉強に関してランキング形式で紹介したいと思います。

「ファンタジー作家になりたい」と思っている人には参考になると思うので読んでみてね。

学生さんに特におすすめですが、もちろんすでに大人になった人にも指標として役に立つと思います。

なにかを学ぶのに遅すぎるなんてことはない。

たとえそれが――100歳からであったとしても。

ヨイ・コトイーウ(1918~2019,ベラルーシ共和国の詩人)
この記事の著者について(葵大和)
葵です
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ファンタジー作家になるために勉強しておくと良い教科ランキング

1位:世界史

ここにすべてが詰まっている。

大学受験等でメイン教科と比べるとどことなく軽視されがちな社会系科目『世界史』。

わたしが受験生だったときは「理系の社会選択はとりあえず地理」という謎の常識にはばまれて、選択者が少なくなる教科の筆頭でした(いまはどうか知らない)。

しかし、ファンタジー小説を書く上ではこの世界史こそが最強です。

世界史というのは、そのまま人類史と呼んでもさしつかえありません。

そして小説は人間を描くもので、しかもファンタジーともなれば大きな世界を描くことが多くなります。

人間という生物が、どういう考え方を持ってどういうふうにこれまで生きてきたか。

  • 文明の発達
  • 風土の影響
  • 争いの歴史

そのすべてが世界史で学ぶことができます。

大きな世界観でファンタジー(もしくは戦記)を書こうと思っているなら世界史を学んでおけば百人力です。

どうしてそうなったかを考えながら学ぶと良い

世界史を学ぶときは、必ず「どうしてそうなったか」という疑問を持ちながら勉強してください。

第一次世界大戦や第二次世界大戦など、大きな歴史の転換点には必ずきっかけとそこまでに積もった過程があります。

教科書などではきっかけの部分が大きく取り上げられることが多いですが、できればそこに至るまでの「過程」(時代の流れ)に注視してください。

長年の因縁や、なんらかの対立が積もりに積もって、それが「戦争」という形で爆発することがほとんどです。

  • 「どうして対立していたのか」
  • 「その対立の原因はなんだったのか」

そういうことを考えていくと、

  • 恵まれた土地をめぐって
  • 宗教的対立
  • 大きな財産を守るため

など、人間精神の根本みたいなものが見えてきます。

こういうものは小説で人間関係や国家間の対立、あるいは社会そのものを書こうとしたときリアリティの糧になります。

もちろん戦争にかぎらず、

  • 各国の文明の発展
  • 商売(交易)の原理
  • 美意識の変化
  • 建築様式の発展

など、原因を考えることで「なるほど、だからそうしたのか」と納得できる情報が世界史の中にはたくさんあります。

この「なるほど、だからそうしたのか」とても重要で、今を生きているわたしたち人間が納得できるリアリティが、世界史の中にはそのまま存在するのです。

あ、でもたまに、

  • 「いやその選択はおかしい」
  • 「これはもはやファンタジーだろ……」

みたいに思うものもあるので、それはそれで楽しむと良いと思います。

世界史はそこらへんのファンタジーより「ファンタジー」してるときがあります。

だから、もし今自分がファンタジー小説を書いていて、「いやいや、こんなのありえないだろ、リアリティがねえわ」とか言われても、

(世界史でこれよりひどいのあったしなぁ……)

というように謎の安定感を得ることができるので、それはそれで良い。

ちなみに世界史のおすすめな勉強方法は、

自分がイメージしているファンタジー世界のネタになりそうな時代から学ぶこと。

いわゆる中世ヨーロッパとか、北欧のバイキングがいた時代とか、スチームパンク的な世界だったら蒸気機関が流行り出した時代とかがおすすめです。

その時代を軸として時代をさかのぼったり、くだったりしていくと楽しく勉強できます。だってメソポタミア文明とか古すぎてよくわからないし。

もう一度言いますが、無理に四大文明時代から時系列に追わなくていいです。

自分が好きじゃない時代だったらそこで学ぶ推進力がなくなってしまいます。

好きなところから学べ!

大丈夫、歴史は繋がってるから!

2位:地理

もっと勉強しとけばよかった(迫真)

ファンタジーを書くならまず間違いなく「○○王国」とか「○○公国」とか書くと思うんだ(偏見)

国を書きたいなら地理は学んでおくといいでしょう。

説得力(リアリティ)の助けになります。

「リアス式海岸」とか、「アジア式稲作農業」とか、まあ細かい語句のことは置いておいて。

最悪「ここはあったかい国」「ここは寒い国」「ここは高地」とかそのくらいでもいいです。

そのうえで、

  • 「あったかいからこういう文化がある」
  • 「寒いからこういうものを飲む」
  • 「高地だからこういう性質の作物を育てた」

とか、その因果関係を学ぶとグッド。

何度も言うがテスト勉強のための暗記は意味がないからダメだぞ!

3位:倫理

世界史の流れを理解する助けにもなります。

  • 人間という生物はどういう存在なのか。
  • 人間はどういうふうに物を考えるのか。(考えがちなのか)

などなど、「人」を書く上でこれ以上ない知識が学べる。

哲学というと「なんかよくわからないこと考えてそう」「あぶなそう」みたいに思う人もいるかもしれませんが、哲学って思考の究極系であらゆる学問に通ずる考え方だから超大事。

宗教になじみのないわたしなんかは、「イエス・キリスト」というとなんかもう「ここじゃない世界のすごい人」(いっそのこと架空の人物なんじゃね?)みたいに思ってしまうこともありますが、よく語られるアリストテレスって、

そのキリストが生まれる前に生きてた人間なんだよね。

で、そんな人間が書いた書物が現代に残ってるってことは、

2000年以上前の本が今読めるってこと。

古代像

恥ずかしながらわたしはその事実を大人になってから知り、すさまじい衝撃を受け、アリストテレスの著作がまるで「ファンタジー世界から現実にやってきた未知の魔導書」みたいな感覚を覚えました。

2000年前の人間がどういうことを考えていたのか知れるってやばくない?

本ってすごい……(恍惚)

と、やや脇道にそれましたが「社会学」「哲学」「政治学」に関わるものを優先的に学ぶと説得力(リアリティ)のある世界を作りやすいよ!

4位:日本史

やっぱり歴史は強い。

おおむね言いたいことは1位の「世界史」と同じ。

おそらくこの記事を読んでいる人で「海外向けに英語で小説書くんだ!」という人はいないと思うので、日本人向けに小説を書くのであれば日本人の思考の方向性みたいなものも見て取れる。

ただ名前が憶えきれない。

ナカトミノカタマリ!

惜しいな……

これはどちらかというと戦略的にエンターテインメント小説を書くときに使ったほうがいいのだろうけど、マジョリティに対してなにかを訴えかけるときに、いわゆるナショナリズムとか日本愛みたいなものをかませてあげると琴線に触れやすいかもね。

5位:国語

日本語使うからね!!

でもテスト的な観点じゃなくて、「名著」と言われたものがどうして名著足りえたのか、という点を考えてみるといいと思います。

書かれたのが「その時代」だったからこそ大衆に受け入れられた、というものも中にはあるので、その因果関係を学んで現代にも活かせると役に立つと思う。

あと美文と呼ばれる文豪の作品がお題だったときは、美文が美文たりえる理由はなにか、というところまで考えてみるとおもしろいかもよ。

でも先生にそこを質問しても答えがうまく返ってこないかもしれないから注意だ!

本当に文学が好きな先生だったら熱く語ってくれるかもしれない!

教師と生徒

まとめ:○○史系はマジで大事

というわけでとりあえず5位まで紹介しました。

5位以下は「ファンタジー小説を書く上」ではそこまで優劣に差はないかなとも思いますが、自分が書きたいと思ってる題材に関係がある科目は学生のうちに興味を持って勉強しておくとのちのち大きな強みになります。

ちなみに世界史から派生する形で、「○○史」と名のつくものは大体おすすめ

わたしが好きなものだと、「数学史」「科学史」「哲学史」あたり。

こういうものを読むときにネックなのが「書き方がなんかむずかしい」こと。

そんななかで非常におもしろく、かつ、読みやすい本もいくつかあるので、わたしが読んでおもしろいと思ったものの中からいくつか紹介しておきます。

こういう本も学問に興味を持つきっかけになるし、ファンタジーを書くときにも必ずなにかの役に立つ知識なので、ぜひ読んでみてください。

おすすめ書籍

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