小説の文章力を最速で上げる方法【おすすめの書き方と習慣】
やあ、葵です。(@Aoi_Yamato_100)
小説の文章力って具体的にどうすれば上がるのかわからない。
わたしも長い間この悩みに苦しめられましたが、13年間小説を書き続けて「このやり方が一番速いし効率が良い」と確信した方法があります。
ということで、今回は小説の文章について、
- 最速で文章力が上がるたった1つの方法
- 継続的に文章力を上げる3つの習慣
という観点からやり方をまとめてみたいと思います。
この記事はこんな人におすすめ!
- 物書き初心者
- 文章を上達させたい人
- 文章力を上げたいけど練習の仕方がわからない人
タップできる目次
てっとり早く小説の文章力が上がるたった1つの方法
好きな作品の文章を真似することからはじめる
小説の文章を上達させるのに最もてっとりばやい方法は『好きな小説の文章を真似してみる』ことです。
この真似(模倣)こそが最速最良の文章の練習方法だとわたしは確信しています。
芸術は模倣からはじまるって言うしな。
小説が芸術かどうかはさておき、この真似(模倣)の効果には計り知れないものがあります。
実際にわたしもこの方法で文章を練習し、商業出版を果たせるようになりました。
数あるメディアの中であえて小説を選んで書こうと思った人なら、おそらく好きな作品の一つや二つあるのではないでしょうか。
必ずしも暗唱できるレベルとかでなくて全然構いません。(もちろん何度か読み返しているものがあるならそれがベストです)
ちなみにわたしは冲方丁さんの『天地明察』が好きで、よく参考にしていました。内容もおもしろいので気になる方は読んでみてください。
まずはそういう『こんな文章が書きたい』『この作品の文章が好き』というものを探して、いつでも開けるように手元に置きましょう。
準備が整ったら、次はどういうふうに真似(模倣)をしていくかの説明に入ります。
作家のクセを分析してみる
まずはその作品の文章を読者としてではなく一創作者として分析的な視点で見ていきます。
作家には誰でもクセがあって、そういうクセは次のような部分に出ます。
作家のクセが出やすいところ
- よく使われる接続詞
- 句読点の位置
- 一分の長短
実際に『句読点の位置』での例を挙げてみましょう。
- 「そしてわたしは、彼を好きになった」
- 「そしてわたしは彼を、好きになった」
これだけでも受ける印象が変わってきますね。
繰り返しますが、作家には必ず文章のリズムや使う語句にクセがあります。
まずはそういうクセを意識的に拾ってみましょう。
好きな作家のゴーストライターになれ
文章のクセを覚えたら、その作家のゴーストライターにでもなったつもりで自分も文章を書いてみてください。
……
……
できましたか?
今やるのかよ!
ちなみにこれはかなり効率的な方法で、「文章の区切り方」「接続詞の使い方」「漢字のひらき方」など、見る部分を少し変えるだけであらゆる側面から自分の文章力を上げることができます。
そりゃあプロを真似するわけだからな。
このことに気づくまでにわたしは2年くらい掛かったよ……
実際に注目すると良いポイントを10個ご紹介
このゴーストライター戦法におけるオススメな注目ポイントは以下のとおりです。
- 句読点の使い方
- 段落の分け方
- 漢字のひらき方
- 接続詞の使い方
- 一分の長短
- 語尾の「○○した」(過去形)「○○する」(現在形)の混ぜ方
- セリフと地の文の比率
- 場面の変え方・切り方
- 人の動作や感情をどう省略して表現しているか
⑨のポイントはちょっと難しいですが、「言った」「思った」などはいちいち書いていると冗長になりがちです。
文章がうまい作家はそういう単純な動作を別の言葉で表現していることが多いです。(例:困った→肩をすくめた)
こういう部分にも意識が向くようになってきたら、もう初心者は卒業したも同然でしょう。
できればタイプの違う3人の作家を用意する
自分の一番好きな作品で文章の練習ができた方は、ぜひ別の作家でさらに2つの作品を選んで、同じように真似しながら文章を書いてみてください。
タイプの違う3人の作家を選ぶのがベスト。
3人の作家の作品をそれぞれ真似していくと、上達効果は倍増します。
ただのコピーにならないか?
ちなみにここで、
これじゃあただのコピーにしかならなくない?
と思う方がいるかもしれません。
安心してください。
別々の作家の作品を3つくらい真似して文章を練習していると、そのうちオリジナルの文章になります。
書くことに慣れていくうちに必ず独自色みたいなものが生まれてきます。
3つも文体を混ぜるともうそれ自体がオリジナルみたいなもの。誰を選ぶのかで個性も出るからね。
やっぱり複数の作家を選ぶのが重要なんだな。
補足
このゴーストライター戦法を使って文章を練習するときの疑問点について質問をいただいたので、補足を作成しました。(>>>小説の文章を練習する時は手書きが良い?それともワード?)
継続的に文章力を上げるために薦める3つの習慣
さて、右も左もわからない状態から、「好きな作家の文章を真似する」という形でとりあえずの指針ができました。
この方法を使ってある程度小説を書くことになれてきたら、今度は自分のオリジナリティの中で、より良い文章を目指す段階に入ります。
ここからは地道な作業なので、できるだけ習慣として身に着けておくことをおすすめします。
ちなみに、『良い小説の文章を書くためにとりあえずこれを習慣にしておけば間違いないっていうものはあるの?』と聞かれれば、
『ある』
と答えます。
数としては3つあります。
「たった3つだけ?」と思うかもしれませんが、3つだけです。それ以外には必要ありません。
この習慣が身についていると、文章の技術はみるみる成長します。
ただし口で言うのは簡単だが続けるにはそれなりの覚悟を要する。
か、覚悟……
①:毎日書く
いきなり「マジかぁー」と思ったかもしれません。
でも、これだけはマジです。
毎日書くことが小説の上達には最速かつ最強の方法になります。
もちろん最初はそんなにたくさん書けないと思うので、自分のペースでかまいません。
でも、ほんの少しでもいいので、毎日文章を書いてください。
継続は力なりと言いますが、小説の文章力に関してもそれは同じ。
もしこれが習慣化できたら、1か月でもバカみたいに成長します。
もし1か月継続できたら、1か月前に書いた文章を見直してみてほしい。必ず直したくなる部分が出てくると思います。それが成長の証です。
具体的な効能
実際にこれをやるとどんな力が身につくのかというと、まず書く速度があがります。
そしてたまに筆が乗って、すごくたくさん書けるときが出てきます。
不思議なもので、どんなに乗り気じゃなくても、実際に書きはじめてみるとすらすら進むことがままあるのです。
ちなみにプロになりたいなら書く速度はおもしろさの次に正義だ。
つまりほぼ大正義。
どんなにおもしろい作品が書けても、それに30年掛かってていてはビジネスになりません。
プロの小説家として生きていきたいなら、速く書く訓練はしておくべきでしょう。
ちなみにこのブログみたいな文章はダメだぞ。「小説」を書いてくれ。
(耳が痛い)
②:意味のわからない単語を見つけたらすぐ調べる
小説において単語力(語彙力)は武器です。
最初は「ひのきの棒」かもしれませんが、それは「エクスカリバー」にまで育つ可能性を秘めています。
たまにあるよね。主人公の持ってた最初の武器が実は最終的に最強武器になること。
小説においてはそれが語彙力です。
ちなみに、無理して新しい言葉を使おうとしなくてもいいです。でも必ず意味は調べておけ。
書いてれば自然とその単語が出てくるときがあります。
パズルのピースがはまるみたいに、「これだ!」というのが出てくる瞬間があるんです。
③:定期的に書いた文章を推敲する
1に推敲、2に推敲、3、4も推敲で、5も推敲だ。
実はこれが一番重要かもしれません。
「①:毎日書く」と「②:わからない意味を日常的に調べる」だけでも文章力はめきめき成長しますが、この「定期的な推敲」を行うとその成長が加速します。
ちなみにこれに関しては別に毎日やらなくてもいいです。
ただ、習慣的に自分が前に書いた文章を見直すようにしてください。
1か月置きくらいがおすすめ。自分の文章の成長度を実感しやすいので、やる気もあがって一石二鳥になる。
この推敲という作業は、本当に奥が深くて、13年ほど小説を書き続けているわたしでもいまだに「ああ、前より今のが読みやすいな」となることがあります。
というか一週間前の文章ですら書きなおしたくなるから、一度完成したら修正ができない原稿などは、あまり見ないようにしています。
何度も言いますが、この推敲という作業はほかの習慣で得た経験値を乗算します。
1か月書き続けて、たとえば1日につき10の経験値が溜まったとする。これが30日分になると、300の経験値になる。
うむ。
これをそのままなにもしないと300のままだが、この1か月分の文章に推敲という作業を挿入することで、300×5=1500くらいの経験値が得られるようになる!(当社比)
5倍……!
文章の成長には波があって、それを順序付けると下記のような感じになります。
STEP
難しい言葉を覚える
STEP
あとからやっぱ読みづらいと思って簡易にする
STEP
また覚える(使う)
STEP
やっぱなんか違う(平易にする)
というのを繰り返して最終的に「わかりやすく、かつ、的確な意味を持った文章」になると言われています。
ちなみにこれは実体験ですが、最初はやたらと難しい漢字を使いたがる。「此処」(ここ)とか「其処」(そこ)とか、わたしは使っていた時代がある。
黒歴史だな……
読みやすさは、小説の文章力に直結する要素です。
基本的に、自分が手で書けない漢字は使わないようにしてください。
パソコンを使って文章を書いている人は特に注意。
変換機能、便利だもんな。
普段使わない言葉もついつい漢字にしてしまうことがある。
繰り返しますが、推敲は小説の文章力をあげるうえで最強の推進剤なので、ぜひ推敲をする習慣を身に着けてみてください。
推敲についてはコチラの記事がおすすめ!
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まとめ:真似から入り、3つの習慣で継続する
ということで、小説の文章力を上げる方法について、
- 最速で文章力が上がるたった1つの方法
- 継続的に文章力を上げる3つの習慣
という観点から解説しました。
もう一度おさらいすると、以下のようになります。
STEP
好きな小説を探す
好きな作家でも可。できれば3つほど選ぶと良い。
STEP
文章を真似してみる
作家のクセを分析的に見ながら、実際に文章を真似してみる。1ページまるまる模写するのも良い。
STEP
文体を混ぜてみる
慣れてきたら3つの文体を混ぜて文章を書いてみる(意識せずとも混じることが多い)。徐々に独自の文章になる。
このゴーストライター法によって小説の文章の書き方について慣れてきたら、次の3つのことを習慣にしてさらに文章を洗練していきます。
- 毎日書く
- 意味のわからない単語はすぐに調べる
- 書いた文章を定期的に推敲する
いざ小説を書こうと思っても最初はなかなかうまく書けません。
けれど、どうすればいいかの指針があれば、ちょっとずつでも前に進むことができます。
そして小説の文章に関しては、やった分だけ効果が目に見えて表れるものなので、ぜひ自分のペースでいいので練習してみてください。
余談:わたしが文章力を上げるのに参考にした作品(作家)
せっかくなのでわたしが意識的に文章の練習をしていたときに参考にした作品(作家)を最後にご紹介します。