コラム

【実体験】ネット小説が実際に書籍化するまでの道のりをまとめてみた【小説家になろう】

みなさん、書籍化したいですかー!

わたしはしたいです。

いや、実際に書籍化して6巻も大判で出させてもらったんですけど、それでもまだまだ書籍化したいわけで。

ええ、であれば「もっと作品を書け」とおっしゃりたいのだと思います。

わたしもそう思う。

でも、なまじ一作出させてもらってると、変なプレッシャーがあったり、「もっとイイものを!」って妙に気負っちゃったり、ちょっと本業の繁忙期が重なって残業150時間になっちゃったりで、うまく進まなくなることもあるんです。(編集さん見てたらごめんなさい今度プロット送ってもいいですか

で、なんだかんだここまで駆け抜けてきた気がするので、ちょっとここいらで自分の最初の作品が書籍化するまでの道のりをまとめてみようかな、と思いました。

もし、「書籍化したい」とひそかな熱意を秘めながらネット上に作品を公開している人がいたら、ぜひお付き合いください。

それでちょっとでも参考になったとか、モチベーションがあがったとかがあれば、とてもうれしいです。

ネット小説が実際に書籍化するまでの道のり

さて、最初にわたしの簡単なプロフィールからご紹介します。

葵大和のプロフィール
プロフィール&このブログについて フルネームを葵あおい大和やまとといいます。 実はこれ、わたしの小説家としてのペンネームでもありまして、インフラ系の社畜をし...
以上だ!!

まとめておいてよかったプロフィール記事。

……さすがに端折(はしょ)りすぎたので別記事まで読みにいくのめんどくせえという方のために、わたしが小説を出版するにいたった過程を箇条書きでご説明します。

※箇条書きだけど20個くらいあるので心して見てください。

わたしが書籍化を達成するまでのあらすじ(要約)

  1. 17歳のとき思い立って小説を書く
  2. 誰かに読んでもらいたい
  3. 「ネット 小説 投稿」でググる
  4. 当時個人運営だった「小説家になろう」を発見
  5. 勢いのまま投稿
  6. 鳴かず飛ばず
  7. そのまま趣味で7年くらい書き続ける
  8. ある日思い立って遠くに見えた山に登る
  9. 帰りに「小説家になろう」内でメッセージ届いてた
  10. 富士見書房(現カドカワBOOKS)からだった
  11. Tシャツとジーパンで出版社訪問
  12. 編集氏、編集長と初対面
  13. 簡単な出版計画の相談
  14. 書籍化作業開始
  15. 4稿+校正を2回重ね、脱稿
  16. 本業就職と同時に出版
  17. 編集氏「次巻は2か月で出しましょう!」
  18. 葵「おおおおおっけー! ボクがんばりゅ!」
  19. 社会人のしょっぱなから本業と作家業のダブルワーク
  20. なんやかんやで今に至る
たぶんある日思い立って山に登ったのが効いたんだと思います。
(そんなわけがない)

そんな感じで現在までに6冊を出版した

百魔の主』という異世界ファンタジー作品をカドカワBOOKSさんから6巻まで出させていただきました。

本業もなんだかんだで忙しくて、一度締め切りをいい感じに超えて担当編集さんに怒られたりしましたが、全部ひっくるめて良い経験をさせていただいたと思います。(これからも良い経験をしたい

諸君、締め切りを守るのはとても大事なことだ。

とまあ、こんな感じで気づいたら小説書きはじめて13年くらい。

途中筆を折りかけたときもあったけれど、1か月くらいしたらけろっと戻ってきたので、やっぱり小説書くのが好きなんだなぁ、と今は思います。

すべての始まりは作品を書いて公開したこと

さて、では実際にどういう順序で書籍化まで至ったか、最初からご説明します。

わたしはネット小説からの出版が流行り出したころに拾いあげてもらったうちの一人です。

ぶっちゃけ当時は、周りの作者が続々と出版報告をする中、「わたしも書籍化できたらいいなぁ」と夢のように考えるくらいでした。

それがこうして書籍化できたのは、なによりも「小説家になろう」というサイトでわたしの作品を読んでくれた読者のみなさんのおかげです。

ネット小説はファンの数が可視化されます。

どの程度その作品を読んでいる人がいて、どの程度人気なのか。

小説家になろうにおいては、感想やブックマーク、評価ポイントという形で潜在的な購買読者数もわかります。

ただ読むだけで楽しめる作品に、あえて感想を書いたり、評価をするというのは、ある意味ストレス(労力)がかかる行為です。

それでも労力を払って感想を書いてくれたり、評価をしてくれる読者というのは、それだけ本気で応援してくれている読者の数と言い換えることもできます。

応援者

ちょっと夢のない話をしますが、なんだかんだいって出版はビジネスです。

もちろん編集者さんは「これはおもしろいからなんとしても世に出したい」という熱意をもって接してくれます。

でも、編集者というのは出版社という会社に雇われたビジネスマンでもあります。

結果が出ない作品ばかりを世に出して、会社に損害を出すわけにはいきません。

だからこそ、すでにネットに公開されていて、潜在的な購買者数がわかる作品は、ビジネス的な観点からもリスクが低いので、手を出しやすい。

新人賞などの公募に応募するのももちろん書籍化の王道ですが、ネットに作品を公開して「わたしの作品はこれだけおもしろい」「実際にこれだけの読者が楽しんでくれています」とアピールするのも、とても大事なことです。

だから、まずは手元に作品があるなら公開してみるべきです。

当たり前ですが、ネット小説からの書籍化は、実際に作品を公開することからはじまります。

継続的な出版に耐えられる文量を確保する

出版物というのは、それが続きモノである場合、基本的に3か月~4か月くらいのスパンで出版されます。

その理由は、書店からの返本の期限にあります。

出版社は新しい出版物が完成したら、それを会議にかけて部数の決定をし、のちに全国の書店に配本します。

書店はその作品を一定数仕入れて店頭に並べるわけですが、仕入れた本のすべてが売れるわけではありません。

そして売れ残った本は、出版社に返却されます。

でも、たとえば「3か月後に続巻が出ます!」という報告があったらどうでしょう。

「続巻が出るのならその前の巻も売れるかもしれない。手元に残しておくか」

となりますよね。

だからたいてい続きモノは返本の目安となる3か月~4か月のスパンで次巻が出ます。

で、じゃあ実際に3か月~4か月で次巻が出せるものなのかというと――

やってみなくちゃわからない!

ネットに公開した作品が果たしてどれくらいの構想期間を経て書かれたものなのか。

それは作家にコンタクトを取る前の編集さんにはわからないことです。

ものすごい速筆で、2週間くらいで1冊分の文量を書いてしまう人なのかもしれない。

逆に遅筆で、半年くらい掛かっているかもしれない。

出版が決まってしまえば本格的に相談ができるのでいいですが、その前までは開けて見ないとわからない状態なわけです。

返本の関係で3か月~4か月スパンでどんどん作品を出したいのに、初稿に半年かかっていたら採算が合わないですよね。

だから、書籍化の声掛けの時点で文量を見られています。

わたしの場合は声掛けの段階で30万字前後

それでもまだちょっと早いかも、と当時の編集長に言われました。

ただ、『百魔の主』は声掛けの当時、3人の主人公格の邂逅、決戦、第一幕の終幕、という形で、まさしくクライマックスを迎える直前。

その盛り上がりのままに、出版の報告ができればより読者さんの気持ちを盛り上げられる。

そんな状態でした。

なので、「ちょっと早いけど書籍化してみようか」、という感じだったみたいです。

実際に編集者さんと対面したときに、先の構想も説明した

30万字というと、だいたい書籍3冊分くらいの文量です。

※ただしヘヴィノベル系は除く

↑通称鈍器と呼ばれるヘヴィノベル。これ、立方体に近いんじゃ……

↑通称レフトヘヴィノベルと呼ばれる同志カルロ・ゼン氏による著作。主人公の笑顔が素晴らしい。アニメもたいそうおもしろかった。

実際に加筆修正をするとしても、ネット小説にあがっているものは荒い部分もままあるので、結局削りも入ってやっぱり3冊分くらい。それが30万文字。

ちまたでは3巻打ち切りがうんぬんという話も聞きますが、最初から打ち切り前提で本を出す編集者はいないですし、それは作家も同じです。

なので、継続的な出版に耐えられる証明として、少なくとも30万文字以上は文量を確保しておくと良いと思います。

もちろん速筆を見越してもっと早めに声を掛ける場合も多々ありますが、自由に投稿できるネット小説とは違って、出版はその他もろもろ多くの要素との兼ね合いがあるので、文量が多いに越したことはありません。

そして初稿作成がはじまった

わたしはワードで原稿を作成しました。

で、ワード画面、スマホ画面、印刷して紙で、もろもろ含めて100回くらい見直したんじゃないかなっていうくらい初稿を練りまくりました。

当時であれば何行目にどんな文章が書いてあるか答えられた気すらします。

でも、せっかく書籍化するのなら持てる力を出し尽くしたかったし、ちょうど本業の就職前の余暇があったので、朝から晩まで推敲をしていました。

だから、当時の持てる力は出し尽くせたと思います。

でも、もちろん今見直すと絶対に直したい箇所が出てくるのであんまり読み返しません。

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手直ししたいということはそれだけ自分が変化できている証明でもあるので、悪いことばかりではないのですが、精神衛生上あまりよろしくはない。

初稿に入った編集者のチェックは200個以上

ありがたい。

正直書籍化作業というものがどういうものか知らなかったわたしは、

ここまで本気で見てくれるのか……!

とむしろ感激しました。

で、その200個くらいをまじめに推敲し、第3稿では編集長チェックでまた200個くらい指摘が入り、ようやく4稿目で校正者へと原稿が送付されます。

戻ってきた校正を、

校正者ってすげえ!

と思いながら修正し、再度の校正を経てついに脱稿。

いわゆる完成原稿が誕生しました。

並行してイラストのチェック等を行い、ついに出版日を迎える

完成原稿があがれば、あとは作家が直接的に手を加える作業はあまり残りません。

表紙デザインのチェックだったり、イラストの最終確認だったり。

あとライトノベル系だと店舗特典の依頼とかがあって、SS(ショートストーリー)などは書いたりしました。

で、もろもろが済み、ついに出版日

もう本当にドキドキで、当日は5カ所くらい書店を回って自分の作品が並んでいるか見に行きました。

実際に作品が並んでいるのを見たときの感動は、作家として失格かもしれませんが、言葉で表せないものでした。

それから2年くらいかけて6巻まで執筆

この期間はネットの原作の更新と、書籍化作業、それに加えて本業とのダブルワークもあって、本当に駆け抜けたという感じです。

本業のほうが時間的に融通が利く仕事であればよかったのですが、ぶっちゃけメンタル的にも身体的にも負担がかかる仕事だったので、我ながらよくやってたなと思います。

でも、そこまでできたことが自信にもつながったので、良い経験でした。

まとめ

おおむねは最初の箇条書きの流れです。

で、個人的に書籍化の可能性をあげたいならこういうところが大事かもよ、という点を経験を踏まえて補足しました。

  • まずは書く
  • 公開する
  • 文量を確保し
  • 書籍化作業に耐えられる証明をする

あと、いわゆる批評などに耐えられるメンタリティも見られてたりします。

創作する人っておおむね感受性が豊かな人が多くて、エゴサとかすると心をえぐられて筆が折れたりすることもままあるからです。

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一度出版したら、継続的に続巻を出したいのが出版社側の心理です。

だからこそ書き続けられるメンタリティのようなものもアピールできるとプラスに働くかもしれませんね。

ざっとこんな感じだけど、もし質問があったら受け付けるのでお問い合わせからどうぞ。

まだまだネット小説からの書籍化は流行りです。

「書籍化したい!」という方はぜひ自分の作品をみんなにアピールして、その夢に向かって突っ走ってみてください。

蔭ながら同志としてわたしも応援しています!

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