作家が選ぶおすすめファンタジー漫画まとめ【13選】
ファンタジー漫画といってもいろいろな設定があります。指輪物語のようなハイファンタジー系や、現代を舞台にした異能モノなど。特に最近は異世界モノが大人気で、かくいう私自身異世界モノの作品を世に出しています。
ここではそんな、ファンタジー作品だからこそのワクワク感や、じっくりと世界観に浸かることができる絶品ファンタジー漫画をご紹介します!
ジャンル別TOP3をまとめた記事はコチラ!
タップできる目次
空挺ドラゴンズ / 桑原太矩
『空挺ドラゴンズ』は、空と龍と、その龍を狩って生活する龍捕り(オロチとり)たちを描いた漫画です。
最大の魅力は圧倒的なまでの広大さを感じさせてくれる空の世界の描写。わたしたちが深海に対してえもいわれぬ不気味さと「なにがいるんだろう?」という興味を惹かれるのと同じく、この物語では空に対してすさまじいまでの広大さを感じさせてくれます。
ファンタジーとしての質も非常に高く、龍捕りたちの生活がたしかなリアリティを伴って描かれるので、没入感もすばらしいのがポイント。
龍と龍捕りたちの勝負も手に汗にぎりますが、けっしてストーリーが暗いわけではなく、個性的な登場人物たちと、時に楽しく、空の世界を冒険するような最高の体験が味わえます。
既刊6巻とすぐに最新話へ追いつけるぐらいですので、ぜひこの機会に読んでみてください。
空挺ドラゴンズの面白い所を紹介するよ|空と龍とグルメな冒険ファンタジー
今回はKindleに2000冊以上の漫画を貯蔵し、「おもしろそう」だと思ったものを片っ端から読んでいるわたしが、 「これは冒険ファンタジー漫画の傑作だァ……」 と衝撃を受…
メイドインアビス / つくしあきひと
世界にぽっかりと空いた大穴『アビス』へ潜る探窟家たちを描いた漫画です。いわゆるダンジョン系の漫画で、未知への冒険にワクワクできるファンタジー漫画でもあります。
また、ポップな絵柄ながら、ファンタジックな世界観をしっかり伝えてくれる風景や小道具の描写が秀逸で――そしてポップな絵柄のまま展開が激烈エグい。
そのへんのダンジョン物と侮るなかれ。読めばわかる、これは今までになかった唯一無二のファンタジー探検紀行である。
メイドインアビスの面白い所を紹介するよ|ダンジョンの怖さを思い知れ
たまに感情が抑えきれなくなるようなものすごい漫画がある。 表紙はポップ、はじまり方もハッピーな感じにワクワク、でも突然にして―― 読者の感情を粉々に噛み砕く。 (…
将国のアルタイル / カトウコトノ
『将国のアルタイル』は、12人の将軍が運営する国家をメインに、国同士の戦いを描いたファンタジー戦記漫画です。
緻密な世界観設定、繊細でありながら圧倒的でもある画力、国同士の戦争シーンに関しても戦略や戦術が非常にしっかりしていて読みごたえが抜群なのもポイント。
特に素晴らしいのは世界観設定の緻密さで、各国の地理や文化が非常に良く設定されており、「この世界に行ってみたい」と思わせる没入感が得られます。
戦記ファンタジーが好きな人は間違いなく楽しめる漫画ですので、気になる人はこの機会にチェックしてみてください。
将国のアルタイルの面白い所を紹介|ファンタジー×戦争×政治の群像劇
戦記×ファンタジーの組み合わせが好きならこの漫画を読め! 『将国のアルタイル』という戦記ファンタジー漫画がめちゃくちゃおもしろかったので今回はそのおもしろさに…
ドリフターズ / 平野耕太
「実在した偉人達がもしエルフやドワーフなどがいる異世界に召喚されたら?」というのを見事なキャラクター性と共に描いているのがこの『ドリフターズ』です。ジャンルとしてはファンタジー戦記に該当するでしょうか。
主人公は敵将の首を取るのが好きで好きで仕方ない、通称「妖怪首おいてけ」で有名な『島津豊久』。さらにメインキャラクターには誰もが知る戦国大名『織田信長』と、源平時代の弓の名手として知られる『那須与一』。
Fateシリーズに似た英霊システムと、今人気の異世界モノが超クオリティで融合した傑作で、戦闘シーンの迫力はもちろん、織田信長の計略、那須与一の神がかり的な弓の腕など、実在した偉人たちの逸話がしっかりと能力として反映され、エルフやドワーフのいるファンタジー異世界で活躍するさまはかなりワクワクさせられます。
生きた時代も国も違う歴史上の偉人たちがもし異世界で戦争をしたら、という題材そのものが最高におもしろいので、ぜひ読んでみてください。
ドリフターズの面白い所を紹介|実在した偉人や英雄による異世界戦争
やあ、(ドリフターズという漫画には「これやったらおもしろい」が全部詰まっていると思う)葵です。 以前『Fateシリーズに学ぶキャラクター創作術』という記事で紹介し…
ハクメイとミコチ / 樫木祐人
『ハクメイとミコチ』は、「もし、人間が9cmの小人になったら』というテーマのもと、自然豊かな世界を情緒たっぷりに描いた漫画です。
小さな人々から見た景色は、普段私たちが実際に見ている景色でも捉え方がまったく異なります。視点を変えるだけでこの世界もまたファンタジーなのだということを思い知らされると共に、その美しさや雅やかさに心を癒される漫画でもあります。
また、登場人物たちの暮らしぶりも非常に趣深く、スローライフ的な癒しにあふれており、現実世界のがやがやとした喧騒に疲れた人にはぜひ読んでほしい作品です。
ハクメイとミコチの面白い所を紹介するよ|幻想的な世界と日常感の融合
せわしない日常から解放されたいときってありますよね。 そういうときに一番おすすめなのは「ファンタジー」かつ「日常系」な作品に触れることです。 ここではないどこ…
葬送のフリーレン / 山田鐘人(原作)アベツカサ(作画)
『葬送のフリーレン』は、オーソドックスな中性ヨーロッパ的なファンタジー世界において、勇者が魔王を倒したあとの世界に焦点を当てて描かれた漫画です。
『魔王を倒したその後』、いうなればゲームにおけるエンディングのあとの話を深堀りするというのはなかなか例を見ませんが、まさかここまで人情を揺さぶられるとは思いませんでした。
本作は魔王を倒した勇者の死(老衰)からはじまりますが、彼を見送るのはかつてパーティーを組んでいたエルフのフリーレン。エルフという長命種に生まれた彼女は、人間が生まれて死ぬまでの間にも、ほとんど容姿が変わらず若いまま生き続けています。そんな彼女にとって、人の一生など儚い夢のようなもの。そう思っていたのに――彼女は勇者を見送ったそのとき、はじめて人と人の関係性について目を向けます。
作中ではこのような当たり前だと思っていたファンタジー的な設定を、よりその世界に生きる者たちの視点からリアルに考察、表現し、見事なヒューマンドラマへと昇華させています。
戦いや冒険というより、ファンタジー世界に生きる者たち、本当にそこに生きている者たちの奏でる儚くも美しい人間ドラマが最大の魅力です。
葬送のフリーレンが面白い!温かく儚いヒューマンドラマ【感想&評価】
魔王を倒した勇者たちの後日談を描く大人気ファンタジー漫画『葬送のフリーレン』のレビュー記事です。冒険の後、というちょっと変わった視点で描かれるストーリーですがかなり心に響きます。
ダンジョン飯 / 九井諒子
『ダンジョン飯』は、ダンジョンを舞台にその中に生息するモンスターたちを料理するという一風変わったテーマで大ヒットしたファンタジーグルメ漫画です。
ダンジョン飯の素晴らしいところは、とにかくダンジョンで作る飯がうまそうなことでしょう。また、実際にダンジョンに住むモンスターたちの生態なども細かく描写していて、非常にリアリティが高い漫画でもあります。
深夜に読むと絶対にお腹が減るので、読む時間帯にだけは注意してください。
竜と勇者と配達人 / グレゴリウス山田
『竜と勇者と配達人』は、主人公であるハーフエルフの新米配達人・吉田が、ファンタジーな世界で郵便業という仕事に精を出す漫画です。
頑固な魔術師や勇者パーティーに群がる有象無象、悪徳森番らを相手にしながら、ファンタジー世界における配達業をこなす吉田の姿には社畜魂が散見されます。それゆえ、吉田にはニヒルな部分がたびたび現れて、それがブラックジョークのようでとてもおもしろいのもポイント。
ファンタジーお仕事モノとしてはかなり出来が良く、「ファンタジー世界で現実にもあるような仕事をしていたら」という思考実験としても楽しめます。また、設定も非常によく練られていて、繰り返し読んでも楽しめる漫画なので、ファンタジー好きな社畜はぜひ読んでみてください。きっと共感すると思います。
異種族レビュアーズ / 原作:天原 作画:masha
ファンタジー異世界における民俗的かつ文化的なあれ(最大限のぼかし)を描いた漫画です。
くわしく書くと大変なので!書けないのですが!民族的かつ文化的なあれを至極まっとうな種族的考察を基に描いていて、ファンタジー世界に対する設定付けがめちゃくちゃよく出来てる名作。
民俗的かつ文化的なあれも素晴らしいですが、ファンタジー漫画としても必見です。
『異種族レビュアーズ』が予想以上にファンタジー漫画として面白い件
アニメも放映され話題になったある意味リアルな異種族考察漫画『異種族レビュアーズ』。 詳しいあらすじは後述するとして、とりあえず読んでみた感想。 予想以上に異種…
ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~ / 瀬野 反人
『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』は、魔界における各種モンスターたちの生態を言語という観点から掘り下げたマンガです。
ファンタジー漫画として各種族の生態や言語への考察が深く、ファンタジー世界への没入感が深いのがポイント。
考察に基づくしっかりとした世界観構成に魅力を感じるタイプの人にはぴったりなので、ぜひ読んでみてください。
異種族言語学入門の面白い所を紹介|ファンタジー世界のリアルな言語と文化
異世界のリアルな言語学と文化を描いた漫画が超おもしろい。 その名も『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』。 最初はタイトルがよくわからなくてい…
ドラゴン、家を買う
空も飛べない、火も吐けない、一族から落ちこぼれと言われてはじき出された図体ばかりがでかい赤ドラゴンがいた。
そんな赤ドラゴン――レティは、ひょんなことから出会った不動産業者(魔王)と共に「安心できる家」を探す旅に出る。
- 対勇者トラップが完備されているダンジョン型の「家」
- 怨霊や魔物の住みつくザ・ファンタジーなお城
- 秘境にたたずむ神殿
また、そういったファンタジー感だけでなく、見た目にそぐわずとても心の優しいレティと他キャラクターの掛け合いなどグッド。
レティは残念なステータスだけど、共に旅をする不動産業者(魔王)のスペックが高すぎてなんだかんだ安心して見られるのも良い点。
RPGゲームのメタ的なネタも多いので、そういうのがわかるとより楽しめるかな。
逆にそういうメタネタが苦手、というやつは注意だ。(ちなみに俺も赤ドラゴンだがステータスは高いぞ)
魔物たちは片付けられない
七竜の一角として恐れられるドラゴンと、そのドラゴンの生贄として差し出されたとある修道女(シスター)をめぐるお話。
生贄として差し出された修道女――クリエラは、ドラゴンの棲家がひどく汚れていることに気づく。
掃除大好き人間であるクリエラは、「自分を食べるならきれいな場所で。きっとそのほうがおいしいですよ」と本心から提案し、ドラゴンの棲家を掃除していく。
やがてその掃除がドラゴンの心を――
一発ネタかと思いきやかなり話が繋がっていって、面白かった。
掃除は良いものですね。
全4巻で完結済み。
コミカル調でありながらところどころしんみりできるお話もあって、非常にバランスの良い漫画です。
魔王さまの抜き打ちダンジョン視察
新たに魔王に就任した「魔王様」と、そのお付きである少女魔族ヨユヤが世界中に散らばるさまざまな「ダンジョン」を実地で視察に行くというマンガ。
コミカル調で読みやすく、さまざまなダンジョンとその内部事情を眺めることができる。
ダンジョンの在り方についての説明や、各種設定がよくできていて、面白い。
ダンジョン内に設置されたトラップをすべて踏み抜いていく魔王様のドタバタ感もとても楽しいし、魔族との交流なども含めてまったり楽しめる漫画です。
全3巻、完結済み。